仮想通貨取引の手法の中には、ショートという手法があります。ショートとは、価格が下落しているときにも利益を生める手法のことです。このうまくショートを行えば、短い期間で効率よく儲けることが出来ます。
とは言え、ショートのことを深く理解せずに、実行に移すのは危険です。そこで、本記事ではショートのメリットやデメリット、ショートで儲けるコツや注意点などを解説します。その他にも、ショートが出来るおすすめの仮想通貨取引所も紹介するため、ぜひ参考にしてくださいね。
なお以下の記事では、仮想通貨の10年後について予想しています。
また、仮想通貨について本で勉強したいと考えている人は、ぜひ以下の記事を参考にしてくださいね。
目次
仮想通貨のショートとは?
仮想通貨取に限らず、投資で利益を生む際には、「安く買って高く売る」のが王道です。一方、ショートとは、「先に売って、あとから買い戻す」手法なのです。
この説明だけでは、あまりピンと来ない方もいると思うので、具体的な例を交えて説明します。
例えば、仮想通貨取引所から100万円分のビットコインを借りるとします。当然この際には、100万円の担保金を取引所へ払う必要があります。
そして、100万円分のビットコインをすぐに全て売り、100万円分の利益を得ます。この時点では、最初に100万円を担保金として払っているため、利益も損失も0です。しかし、この後ビットコインの価格が90万円にまで下落したとすると、再び同じ量のビットコインを買いなおすことで10万円分の利益を得られるのです。
このように、先に売った仮想通貨を、下降トレンド時を狙って買い戻す手法のことを、仮想通貨のショートと言います。ちなみに、ショートは別名「空売り」とも呼ばれています。
仮想通貨のショートのメリット
仮想通貨のショートとは、「先に売ってあとから買い戻す」手法であることが分かりました。
しかし、ショートを行うことでどのようなメリットを得られるのか分からないと、なかなか実行に移せないと思います。そこで、この項では仮想通貨のショートのメリットを2つ紹介します。
下落相場でも利益を生める
仮想通貨のショートの1番のメリットは、下落相場でも利益を生める点です。
仮想通貨に限らず、一般的な投資取引では「安い時に買って高い時に売り、差額で儲ける」手法が一般的です。その点ショートなら、売りから入って儲けるため、価格が下落している時にこそ儲けられます。
通常とは違い、価格が下降しているときにこそ利益を得られる点は、ロングにはないショートならではのメリットだと言えるでしょう。
ロングとショートを組み合わせることでリスクヘッジ可能
2つ目のメリットは、ロングとショートを組み合わせることでリスクヘッジ可能な点です。
ちなみにロングとは、ショートの対となる手法のことで「安い時に買って高い時に売る」ことで利益を得る取引手法です。
ショートは下降トレンドのときに、ロングは上昇トレンドのときに利益を生みます。そのため、ショートとロング両方を組み合わせて取引を行えば、上昇トレンド時にも下降トレンド時にも、大きな損失を抱えずに済むのです。
このように、ロングと組み合わせればリスクヘッジができる点も、ショートのメリットと言えるでしょう。
多額の取引ができる
ショートではレバレッジ取引を行うこととなるため、実際に掛けた金額よりも多額の取引ができます。そのため、短期間で大きく儲けられる可能性が高い取引方法だと言えるでしょう。
一方で、短期間で一気に儲けられる可能性がある分、多額の損失を被る危険性もあるため、注意が必要です。
仮想通貨のショートのデメリット
下降トレンドでも儲けられる点や、ロングと組み合わせてリスクヘッジできる点が仮想通貨のショートのメリットだと分かりました。
一方で、メリットだけではなく、仮想通貨のショートにはデメリットも存在します。ここでは、仮想通貨のショートのデメリットを5つ紹介します。メリットと併せて把握しておきましょう。
下降トレンドかどうか判断するのが難しい
仮想通貨のショートの1つ目のデメリットは、下降トレンドかどうか判断するのが難しい点です。
価格が下がり始め、「今が下降トレンドだ!」と思って買っても、すぐに価格が回復することも良くあるためです。実際に、投資の専門家であっても、今が下降トレンドなのか一時的なものですぐに復活するのかを、正確に見極めることは難しいようです。
このことから、特に仮想通貨投資初心者にとっては下降トレンドを認識するのは難しく、この点はデメリットと言えるでしょう。
ロスカットされることもある
ロスカットされることがある点も、仮想通貨のショートのデメリットとして挙げられます。
仮想通貨のショートを行うには、現物取引ではなく証拠金取引ではないといけません。ロスカット制度とは、証拠金取引を行う人の大切な資産を守るために定められた制度のことです。
具体的には、各仮想通貨取引所が定めている証拠金維持率に基づき、損失が一定の基準に達したときに強制的に全て決済されるというものです。
ただし、仮想通貨取引所によっては、ロスカットが起こる前に通知が来る仕組みになっているところもあるようです。取引所によって異なるため、取引を始める前に確認しておくと良いでしょう。
価格が上昇した場合含み損を抱えることになる
3つ目のデメリットは、価格が上昇した場合含み損を抱えることになる点です。
当初は価格の下落を予想して仮想通貨を購入したものの、実際には価格が上昇した場合、含み損を抱えることになります。特にショートを行う際には、いくらかのレバレッジをかけることになるため、現物取引よりもさらに大きな含み損を抱えることになります。またレバレッジが大きければ大きいほど、多額の含み損を抱える可能性も高くなるでしょう。
大きな含み損を抱えている状態は精神的な負担にも繋がるため、この点も仮想通貨のショートのデメリットとなります。
ポジションを保有しているだけで手数料が生じるケースがある
ショートでポジションを保有していると、それだけで一定期間ごとに手数料が発生することが多いです。例えば大手国内取引所のGMOコインは、1日0.04%のポジション保管料が徴収されるそうです。
このように、ただポジションを保有しているだけで手数料が取られてしまう点は、デメリットと言えるでしょう。ショートに挑戦する際には、この手数料も把握しておきましょう。
ショートできる仮想通貨取引所は多くない
残念ながら、ショートできる仮想通貨取引所はそこまで多くはありません。
特に、国内の仮想通貨取引所でショートができるところは少ないです。例えば国内大手仮想通貨取引所のコインチェックでは、2017年5月まではショートでの取引が出来ましたが、現在ではショートを休止しています。
なお、ショートできるおすすめの仮想通貨取引所について、後ほど詳しく紹介します。
ショートは仮想通貨取引中級者~上級者におすすめの手法
仮想通貨のショートのメリットやデメリットを踏まえ、仮想通貨のショートはある程度仮想通貨取引に精通している中級者~上級者に向いている手法だと言えます。中級者~上級者にとって、下降トレンドでも大きく儲けられる可能性を秘めているショートはとても魅力的な取引手法でしょう。
一方で、初心者がショートを始めてしまうと、下降トレンドをうまく見極められなかったり、含み損が大きくなって精神的な負荷が生じたりと、ストレスを抱えることになりかねないため、注意が必要です。
自分に合っているのはロングなのかショートなのか、よく考えてから実行に移すことが大切です。
仮想通貨のショートの始め方
この項では、仮想通貨のショートの始め方を2段階で説明します。
注文方法を選び注文数を決める
まずは、以下の3つの方法の中から、注文方法を選択しましょう。
- 指値注文:取引開始の前に売却する金額を指定する方法
- 成行注文:その時点で最も高い買い指値に対して売りを行う方法
- 逆指値注文:その時点での相場よりも不利な相場を指定する方法
なおこの3つの中で一番おすすめの注文方法は、指値注文です。なぜなら、最も基本的な注文方法だからです。取引に慣れている人は、成行注文や逆指値注文に挑戦してみるのも良いでしょう。
また、注文方法を決める際に、注文数も決めておくことをおすすめします。いつエントリーチャンスが訪れても、スムーズに取引を始められるからです。
証拠金の金額を決める
注文方法や注文数を決めた後は、証拠金の金額を決めます。前述の通り、仮想通貨のショートでは現物取引ではなく証拠金取引を行います。
ちなみに、国内の仮想通貨取引所では、基本的にレバレッジ率は最大2倍までと決まっています。レバレッジ率が高いほど大きく儲けられる可能性を秘めていますが、一方で多大な損失を被るリスクもあります。
そのため、まずは国内の仮想通貨取引所を使って、レバレッジ率2倍以下の取引をすることをおすすめします。なお、おすすめの仮想通貨取引所は後ほど照会します。
仮想通貨のショートで儲けるためのポイント
せっかく仮想通貨のショートに挑戦するなら、損失を最小限に抑え、たくさんの利益を得たいと考えるものですよね。
そこで、ここからは仮想通貨のショートで儲けるためのポイントを4つ説明します。
最初からレバレッジをかけすぎない
仮想通貨のショートで儲けるためのポイントの1つ目は、最初からレバレッジを掛け過ぎないことです。レバレッジを大きく掛けるほど、一気に高額を設けられる可能性が高くなりますが、リスクが膨らむことにもなります。
そのため、レバレッジをかけすぎて取引に負けてしまうと、多額な損失を被ることになります。せっかくショートで儲けようと思ったのに多額の損失が生まれてしまっては、本末転倒ですよね。また損失を被るとモチベーションの低下にもつながるため、最初は少ないレバレッジで取引をして、徐々に慣れていくことをおすすめします。
なお、レバレッジに関しては以下の記事でも詳しく説明しているため、ぜひ参考にしてください。
自分で決めた運用ルールを守る
ショートで儲けを得るには、事前に運用ルールを決め、しっかりと守ることが大切です。明確な根拠を持たずに、「なんとなく」で取引をしてしまうと、損をする可能性が高いからです。また、取引が成功したとしても、次回以降に活かせません。
そのため、
- いくら証拠金として掛けるか
- レバレッジはどれくらいにするか
- どれくらい下落したら売りに出すか
などのルールをあらかじめ決めておくことをおすすめします。あらかじめ決めたルールに従っていれば、感情的で非合理的な取引をせずに済みます。
なお、取引を進めていくうちにルール変更が必要となった場合は、きちんとした根拠があれば、変更して構いません。
必ず振り返りを行う
3つ目のポイントは、取引のあと必ず振り返りを行うことです。振り返りを行うことで、取引の良し悪しを客観的に振り返り、次回以降に活かせるためです。
そのため、振り返りノートを作り、毎回取引を行ったあとに必ずノートへの記入をすることをおすすめします。なお、ノートに記入すべき内容は以下の通りです。
- 良かった点
- 悪かった点
- 自分で決めた運用ルールを守れたか
良かった点は次回以降も活かし、悪かった点は改善するようにしましょう。
仮想通貨のショートの注意点
仮想通貨のショートで儲けるには、最初のうちはレバレッジを掛け過ぎないことや、運用ルールを決めること、振り返りを欠かさず行うことが大切だと説明してきました。
ここからは、仮想通貨のショートを行う際の注意点を2つ説明します。「知らないうちに損をしていた」という事態にならないよう、今のうちに注意点も理解しておきましょう。
追加証拠金の発生に気を付ける
追加証拠金とは、信用取引を行っていて損失が発生してしまい、証拠金が一定の水準よりも下回った場合に、追加で証拠金を入金しなければいけないお金のことです。
そして、この追加証拠金の支払いができない場合、強制的に決済されてしまいます。取引所によって水準は異なるため、注意しましょう。
ロスカット制度によって意図せず売却される恐れがある
前述の通り、利用者のリスクを抑えるために、ロスカット制度が設けられています。口座に預けている証拠金が一定水準を下回ると、自動的にすべて売却されてしまうというものです。
このように、利用者が意図せずに決済が実行されてしまうこともあるため、気をつけて取引を行いましょう。
ショートができるおすすめの仮想通貨取引所6選
仮想通貨のショートをしてみたくても、どの仮想通貨取引所を使うべきか迷ってしまうこともあるでしょう。特に、ショートができる仮想通貨取引所は限られているため、探すのも大変ですよね。
そこで、この項ではショートができるおすすめの仮想通貨取引所を6つ紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
Bybit
Bybitは、海外の仮想通貨取引所ですが、完全に日本語対応をしているため英語が分からなくても使いやすいです。また、仮想通貨取引初心者でも、スムーズに取引ができるよう、分かりやすい画面設計が施されています。
日本国内の仮想通貨取引所では、大きなレバレッジをかけることができませんが、Bybitなら最大100倍ものレバレッジをかけられる点も魅力の1つです。
以上のことから、大きなレバレッジをかけて仮想通貨のショートをしたい人は、Bybitを使うと良いでしょう。
CryptoGT
CryptoGTも、日本語に対応している海外の仮想通貨取引所です。
世界最大のレバレッジを掛けることが出来て、なんと最大500倍のレバレッジをかけた取引が可能です。画面設計は初心者にも優しいものとなっていますが、ツールは上級者でも満足できる本格的なものです。
そのため、CryptoGTは、初心者~上級者までストレスフリーに仮想通貨のショートができる取引所と言えます。
Deepcoin
Deepcoinは、レバレッジ取引だけでなく現物取引も行えます。そのため、どのような場面でもリスクをコントロールしやすく、初心者向きの取引所だと言えます。
また、資金調達量の不要なUSDT契約や取引マイニングなどの機能も備わっています。他の取引所にはないユニークな機能が多く、人気の取引所です。
Deepcoinは、仮想通貨のショート以外にも様々な手法で儲けたい人にもお勧めできます。
FXGT
FXGTは、仮想通貨以外の取引も行える点が最大の特徴です。
仮想通貨の他にも為替取引などができるため、様々な金融商品をかけ合わせてリスクヘッジが可能なのです。また、FXGTで使われているツールはCryptoGTと同様のもので、上級者まで納得の行く本格的なツールです。
そのため、FXGTも仮想通貨のショートに適していると言えるでしょう。
DMM Bitcoin
DMM Bitcoinは、レバレッジ取引ができる仮想通貨銘柄が国内の仮想通貨取引所の中で最多です。また、ロスカット手数料も無料なため、仮想通貨のショートに向いていると言えます。
その他にも、初心者~上級者までストレスなく使えるように拘って設計されたツールや、スマートフォン用のアプリも使いやすいと好評です。
預けた資産の95%がコールドウォレットで保管されるため、ハッキングなどに遭って資産を失う可能性がとても低い点も特徴の1つです。
なお、コールドウォレットについては以下の記事でも解説しているため、ぜひ参考にしてください。
bitFlyer
bitFlyerは、ビットコイン取引量が国内NO.1の仮想通貨取引所です。そのため信頼も厚く、ビットコインでショートに挑戦したい人にとっては、最も適している仮想通貨取引所と言えるでしょう。
また、ビットコイン以外にもリップル、イーサリアム、モナコインなどの全13種類の銘柄を取り扱っています。また100%コールドウォレットで保管しているため、セキュリティ面も安心です。
以上のことから、bitFlyerもショートをするのにおすすめの仮想通貨取引として挙げられます。
【番外編】bitcastleのHigh&Lowもおすすめ
ショート取引とは異なりますが、bitcastleのHigh&Lowも相場が下がった際でも利益を得られるのでおすすめです。価格が上がるか下がるかの2択なので、価格が上昇しても下落しても、予想が当たれば設けられます。
bitcastleは二者択一の取引「High&Low」ができるだけでなく、主要仮想通貨の手数料が0円だったり、ほとんどをコールドウォレットで管理していたりと、魅力の多い仮想通貨取引所です。ぜひチェックしてみて下さい。
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【まとめ】仮想通貨のショートなら下降トレンドでも儲けられる!
この記事では、仮想通貨のショートのメリット・デメリットや、儲けるためのポイント、注意点などを解説しました。ショートは下降トレンドでも利益を生める魅力的な取引手法ですが、見極めの難しさやリスクの大きさなどを考えると、仮想通貨取引の中級者~上級者向けの取引と言えるでしょう。
また、残念なことに、現時点ではショートができる仮想通貨取引所の数があまり多くないのも事実です。そのため、少ない仮想通貨取引所の中から、最適なところを探す必要があるのです。
そこで、ぜひ本記事で紹介した仮想通貨取引所の中から、あなたにピッタリな取引所を選んでみてくださいね。
執筆者 西村大樹