「Lido stETHってなんだろう?」「“Lido”とは違うの?」このような疑問を持った方は多かったのではないでしょうか。
Lido stETHとはLidoという運営企業が提供する新しいステーキングサービスの名称になります。Lido stETHの他にもLido DAOというものも存在し、こちらもLidoを運営する為の団体となっています。
Lido stETHについて調べると専門用語が多く、少し理解しにくい部分もあるかと思うので本記事ではLido stETHについてわかりやすく、特徴と将来性を解説します。ステーキングやLido stETHに興味がある方は是非最後まで読んでいってください。
【補足】
本記事では似たような表現の単語が多数存在しますがそれぞれ意味が違います。あらかじめ用語の意味をまとめたものを以下に記載します。
Lido:企業名
Lido stETH:サービスの名称
stETH:ETHをLido stETHで変換したリキッドトークンの名称
STETH:Lido stETHのシンボル名
ETH:イーサリアムのトークンの名称
DAO:分散管理組織
LidoDAO:Lido stETHを分散管理する組織
目次
Lido stETH(stETH)とは?
名称 | Lido stETH |
トークン(シンボル)名称 | stETH |
過去最高値 | 573,567.06円(2021/11/16) |
過去最安値 | 63,520.34(2020/12/24) |
公式ホームページ | https://lido.fi/ |
公式Twitter | https://twitter.com/lidofinance |
Lido stETHはイーサリアムのリキッドステーキングサービスを構築する仮想通貨です。リキッドステーキングサービスとはLidoが提供するイーサリアム用の新しいステーキングサービスになります。
このリキッドステーキングサービスは従来のステーキングにおけるデメリットを解決し、よりユーザーの還元率が高いステーキング方法となっています。
仮想通貨のステーキングとは
仮想通貨のステーキングとはブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズム(承認プログラム)の一種で、ステーキング対象となる仮想通貨を保有することによって報酬を得る仕組みのことです。ステーキングはイーサリアムがバージョンアップデートの際に取り入れる予定のコンセンサスアルゴリズムとして注目を集めました。
ステーキングを取り入れる目的は「マイニング」と呼ばれるもう一つのコンセンサスアルゴリズムに比べて消費電力が少ない、ハッキングリスクに強い、といった利点があります。
ステーキングによるコンセンサスアルゴリズムとは
コンセンサスアルゴリズムとは簡単に言えば「新しいブロックを追加しますね」といった注文に対してブロックの追加を承認する作業のことを言います。
ブロックチェーンは暗号化されたデータを一つの塊「ブロック」にして、そのブロックを1本のチェーンのように繋いでいくデータ管理システムです。
ブロックチェーンにつながる新しいブロックはコンセンサス(合意)されたものではなくてはならず不正なデータは接続できない仕組みにすることで、ブロックチェーンのセキュリティを保っています。
ステーキングによるコンセンサスは対象のブロックチェーンが発行しているトークン(暗号資産)を保有しているユーザーの中からバリデータノード(承認決定者)を選出して行います。
バリデータノードはトークンの保有量や保有期間の長さで選出され、バリデータに採用されたユーザーには報酬が発生し、ステーキングによる報酬の発生とはバリデータに選ばれたことによる承認作業の報酬といえます。
ステーキングによるデメリット
ステーキングによるデメリットは「ロックステーキング」と呼ばれる、ステーキング用に保有したトークンを一定期間動かすことができないというデメリットが存在します。
もしロックステーキング中にステーキングしているトークンの価格が大幅に下落したとしても期間中はそのトークンを売却することも交換することもできないので、損失を抑えることができず、想定外の損失を発生させるリスクを考慮しなければなりません。
Lido stETH(STETH)の特徴
Lido stETHはイーサリアムのステーキングに対するロック期間やステーキングインフラ(バリデータノード)を維持することなく報酬を受け取る為の新しいサービスです。
つまりLido stETHを利用すると「デメリットなしでイーサリアムのステーキング報酬が得られますよ」ということです。このシステムの注目度はトークンの価格からもわかるように多くのユーザーが動向をチェックしている状態です。
デメリットなしでステーキングができるLido stETHの特徴を詳しく見ていきましょう。
特徴①リキッドステーキングサービス
リキッドステーキングとはLidoが提供する独自のイーサリアム専用のステーキングの方法です。Lido stETHではイーサリアム固有のトークン(ETH)をステークするのではなく、stETHというリキッドトークンを使用してステーキングをします。
リキッドトークンを使用するメリットはステーキングの際に生じるロックステーキング期間をカットすることができるという点です。ロック期間が存在しないことでユーザーは自由にトークンを移動させることができるので前述のステーキングによるリスクの回避につながります。
実際Lido stETHのステーキングを利用するには自分のイーサリアム(ETH)をLidoのスマートコントラクト(自動取引プログラム)に預け入れるだけです。そうするとLido stETHよりstEHT(ETHがリキッドトークンに変換されたもの)が送られ、ステーキングに自動で参加することができます。
Lido stETHで得られる報酬は割り当てられたステーキングの報酬から10%の使用料を除いたものが受け取れます。報酬の割り当てはDAOによって管理されるため、分配方法によっては低リスクで高利率なステーキング報酬を得ることも可能です。
ステーキングについて詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
ステーキングに関する他の記事はこちら
DAOとは
DAOは分散型自立組織と呼ばれ、中央管理者が存在しない管理組織のことを言います。運営管理はオープンで行われ、誰でも参加することができるのでシステムやプロジェクトの方向性を民主的に決定することができます。
特徴②管理組織はLidoDAOで構成されている
Lido stETHのプログラムはLidoDAOによって構築されています。
Lido stETHの運営管理をDAOにすることによるメリットは以下の通りです。
- DAOがビーコンチェーンの設計に依存している
- イーサリアムのステーキングプロトコルは今後変更される可能性があるため、Lido stETHはアップグレード可能である必要がある
- DAOガバナンス(統治)は、Lido stETHの変更について決定を下すことに優れている
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DAOは、DAOトークントレジャリー(DAO内部の資金プール)からのプロトコルの開発とアップグレードのコストをカバーできるようになります。 DAOのトークントレジャリーにはLido stETHからの利用料金を累積することで財源の確保となっています。
【補足】
ビーコンチェーン:イーサリアム2.0のメインチェーンとなるブロックチェーンのこと
イーサリアム2.0については後述のLido stETH(STETH)の今後と動向に記載
特徴③2種類のトークン
Lidoには2種類のトークンが存在します。
1つはリキッドステーキング用のトークンであるstETH、もう一つはLidoDAOのガバナンス権を付与するトークンのLDOです。Lidoではこの役割の異なる2つのトークンを使い分けることでシステムを円滑に起動しています。
stETHトークンについて
stETHトークンはイーサリアム(ETH)をLido stETHを利用してリキッドトークンに変換した際に獲得できるトークンで、Lido stETHではトークンを変換する機能の他にステーキングする際のstETHのデポジット(ステーキングするトークンの量)に対する報酬額の確認もできます。
stETH自体はステーキングだけではなくDefi(分散金融システム)を利用して取引することも可能です。
LDO
LDOはリキッドステーキングシステムの管理用トークンです。LidoDaoではステーキング報酬の分配率を変更したり、Lido stETHのアップデートを行います。LidoのガバナンスはLDOの投票により決定され、LDOをより多く保有しているユーザーにLidoDAOの決定権が与えられます。
Lido stETH(STETH)の現在の推移価格
現在価格(2022/2/3) | 2670ドル |
直近安値 | 2159ドル(2022/1/24) |
直近高値 | 4794ドル(2021/11/8) |
直近レジスタンスライン(上昇抵抗線) | 4700ドル付近 |
直近サポートライン(下降支持線) | 3000ドル付近 |
上記はSTETH/ドルペアの日足チャートです。イーサリアムの取引チャートをよく見る方なら気づくかもしれませんが、実はSTETHはETHとほぼ連動して動いています。
上の図はSTETHとETHを重ねたチャートです。ほぼ一緒であることが確認できます。
なのでSTETHの今後の価格の推移はETHから分析することができるのでETHの直近動向から今後の価格の方向性を分析します。
具体的投資戦略
ETHほどの有名な仮想通貨であれば暴落時に買い増しするような長期資産形成を狙った買いがおすすめです。
では短期ではどうなのか、デイトレード向けの分析も行っていきたいと思います。
上のチャートはETHの4時間ローソク足にトレンドラインを補助として引いたものです。
- 青ライン:レジスタンスライン
- 赤ライン:サポートライン
- オレンジライン:長期トレンドライン
- 緑ライン:短期トレンドライン
短期目線では上昇基調にあるものの、長期トレンドラインに価格が近づいてきていてオレンジラインと緑ラインが”>“のような形になっていることが分かります。こう言った形を形成するパターンを「三角持ち合い」といい、オレンジもしくは緑のラインを抜けたほうにトレンドが傾きやすい傾向があります。
今回ETHはこの三角持ち合いの先端に位置しているので、ラインを抜けた方向に短期でポジションを取るとエントリーの優位性が増すでしょう。
Lido stETH(STETH)の今後と動向
Lido stETHは今後イーサリアムのステーキングが活発になれば間違いなくユーザーが拡大していくシステムになると考えています。
イーサリアムのステーキングは現在段階的に行われており、バージョン2.0よりコンセンサスアルゴリズムがステーキングに完全移行します。イーサリアムのアップデートは全部で4段階、2022年1月の時点ではまだ1段階目となっています。
しかしながら昨年イーサリアム2.0のメインネットワークとなる「Altair(アルタイル)」をリリースしたことで確実にアップデートへのフェーズは進んでいることが分かります。
イーサリアムってそもそもどんな仮想通貨だっけ?という方はこちらの記事でイーサリアムについてより詳しく解説しています。
イーサリアムの詳しい記事はこちら
Lido stETH(STETH)の購入方法
stETHはETH(イーサリアム)をリキッドステーキング用に変換したトークンになるので直接購入はできません。ETHを購入後、Lido stETHにてETHを変換することで入手可能です。
ETHを取り扱う仮想通貨取引所は国内外に数多く存在し、国内の仮想通貨取引所では「DMMビットコイン」や「bitFlyer」で購入可能です。
更に、短期取引に特化した「bitcastle」でもETHは購入可能です。ETHの短期売買で得た利益でステーキング用のstETHを獲得すると効率よくステーキング報酬を得ることができます。
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バイナリーオプションは今後の価格が上昇するか下落するかのどちらかを当てる短期取引に有効なオプション取引のことを言います。
今回のSTETHのように今後トレンドが動きそうなトークンはバイナリーオプションでは大きな利益を獲得できる可能性があります。bitcastleではSTETHと連動するETH取引することが可能です。
ETHの短期取引を検討されている方は是非登録してみてはいかかでしょう?
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【まとめ】Lido stETHはイーサリアムステーキングの在り方を変える
Lido stETHの解説は以上です。デメリットとメリットが混在するイーサリアムのステーキングにおいて、そのデメリットを解決するLido stETHのサービスはイーサリアムでのステーキングの在り方を変える可能性をもった仮想通貨と言えるでしょう。
いずれイーサリアムのバージョンが2.0にアップデートされ、コンセンサスアルゴリズムが完全にステーキングに移行すればLido stETHはイーサリアムでステーキングをする基本プラットフォームになるかもしれません。
もし仮想通貨のステーキングに興味を持っている方はイーサリアムをstETHに交換してみてはいかがでしょうか?
執筆者 西村大樹