盗難された仮想通貨の返還率はどれくらい?

盗難された仮想通貨

仮想通貨の話題がネット上で上がることは珍しくはありませんが、最近話題になるのは仮想通貨の盗難等の被害にあったというマイナスなニュースが多いです。

自分自身のウォレットがハッキングされたことによって、仮想通貨資産が盗まれてしまったこともあれば、自分が利用している仮想通貨取引所がハッキング被害に遭ってしまったという人もいるでしょう。

ハッキングに遭ってしまい、仮想通貨資産が盗まれてしまうと自分の資産がなくなってしまい、その資産が手元に戻ってくることも可能性としては低いでしょう。

ロイター通信の特集記事によると、ハッキングによって盗難された仮想通貨が手元に戻ってくる確率は20%となっていることが明らかになりました。

仮想通貨はブロックチェーン技術を活用しているため、ブロックチェーンに取引記録を残しておくことで犯人の追跡を可能としていますが、この役割を担うことはまだできていないケースが多いという結果になっています。

実際にブロックチェーン技術を利用して仮想通貨のハッキングに対して捜査対象にできるのは各国で起こっている大規模な事件だけとなっており、全てのハッキングに対して調査を行うことは事実上不可能とされています。

仮想通貨を盗難された際には、何か対策を起こしたいところではありますが、ブロックチェーンの技術が利用できない以上、犯人を追うことも難しいため、諦める投資家も多くなっており、約85%の犯罪が報告されていないという結果も出ています。

また、アメリカのサイバーセキュリティ企業サイファートレースのCEOであるデービッド・ジーヴァンス氏は仮に仮想通貨取引所に対するハッキングが大規模な事件だとしても盗まれた仮想通貨が返ってくるのが20%だという理由に対して、調査を開始するためには十分な証拠を集めなければいけないと述べています。

複数の国がまたがっている大規模な捜査を正当化するためには、数百万ドルほどが盗難被害に遭わないと調査に動き出すことも難しいようです。

ハッキング被害に関しては、日本国内でも多数行われています。日本国内の仮想通貨取引所から仮想通貨資産が盗まれてしまうというケースも多いため、仮想通貨に関する犯罪を注視する人も多いです。

しかし、最近では仮想通貨取引所だけではなく、偽装ウェブサイトやフィッシングの機能を搭載したEメールを利用した詐欺行為も多いです。こういった新しい手法の詐欺行為に注意が必要です。

個人を狙っている詐欺行為が増えてくると、さらに操作が難しくなりどうしようもない結果になってしまうことも起きてしまいます。

自分自身でこういった仮想通貨に関する詐欺行為から資産を守っていくことを最優先にして仮想通貨を守っていく必要があります。

2017年はイーサリアムも大きな被害に

2017年は仮想通貨が大きく話題になり、投資活動を行い始めた人も多かった年になりました。そのため、仮想通貨を手に入れる人も多い年となった一方で、そこに狙いをつけて詐欺行為を企てる人も増えました。

イーサリアムは2017年だけで2万1000イーサリアム以上が盗難被害に遭っており、その手口がソーシャルエンジニアリングによって盗まれていることが明らかになっています。

ソーシャルエンジニアリングとは、詐欺メールなどで窃盗する手法のことです。個人を狙って行われる詐欺行為が多いです。今後は個人をターゲットとした詐欺行為も増えてくるため、自分で自分の資産を守る能力が問われるでしょう。

仮想通貨資産を守ることが最優先

仮想通貨が盗難されてしまうと、戻ってくる確率が少ないということは今回の記事で理解したかと思います。

盗難されてから資産を取り戻す方法を模索するよりも自分の資産を守る方法を考えたほうが良いでしょう。

現在はウォレットなどセキュリティ対策の方法もたくさんあるため、仮想通貨のリスクをしっかりと理解して、仮想通貨資産の保管方法もしっかりと考慮した上で投資活動を行う必要があります。

執筆者 西村大樹

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