【FX】FXにおけるスプレッドとは?初心者にもわかりやすく解説

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“スプレッドはなるべく安い方がいいよ”

“業界最安値固定スプレッド0.1銭”

FXについて調べていると、こういった文言を見かけることが多いと思います。特に取引業者の多くは、スプレッドの最狭幅を注目ポイントとして宣伝を行っているので、ある意味広告のうたい文句として見たことがあるのではないでしょうか。

スプレッドとは、簡単に言えば同一タイミングで売買したときの通貨の値幅のことで、取引手数料が安い業者はこのスプレッドを大きく設定して利益を稼いでいるところが多く見られます。

1回あたりのスプレッドはそれほど大きくなくても、頻繁に取引を繰り返せばスプレッドはかなり大きなコストです。

今回はそんなFXのスプレッドについて初心者にもわかりやすく解説していきましょう。

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スプレッドとは

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FXのスプレッドとは、外国為替取引(Foreign Exchange、FX)における売買の価格差のことを指します。取引プラットフォームでいうところの通貨ペアの買値(Bid)と売値(Ask)の差のことですね。

通常、取引所やブローカーは、通貨ペアの価格を示す際に、それぞれの価格を提示。買い手はAsk価格で通貨を購入し、売り手はBid価格で通貨を売ります。スプレッドが存在すると、同一時間の取引で価格差が生まれるため、トレーダーが大量の売買を繰り返すほどその差額の総額は大きくなります。

この差額がブローカーや取引所の利益として計上されるので、スプレッドが小さいほど、トレーダーに有利な価格条件となり、スプレッドが広くなると、トレーダーは不利な条件での取引といえるでしょう。

多くの場合、スプレッドが小さくなるほど取引手数料が高くなり、取引手数料が安くなるとスプレッドが広がるシーソーのような関係性が見られます。

どちらも取引コストがかかることには違いはありませんが、スプレッドは値幅が変動する恐れがあるため、スキャルピングのように高頻度で小さな利益を対重ねる取引を繰り返すような取引スタイルの方には手数料固定型でスプレッドが小さな業者の方が有利かもしれません。

スプレッドのサイズ

スプレッドのサイズは、一定ではありません。市場の流動性や通貨ペアの人気、出来高の増減によって大きく変化します。

一般的に、主要通貨ペア(例:米ドル/円、ユーロ/米ドルなど)は、スプレッドが比較的狭く、原則固定スプレッドを提供している業者も少なくありません。

一方、マイナー通貨ペアやエキゾチック通貨ペア(例:南アフリカランド/日本円など)は、スプレッドが広く、流動性が低いため、頻繁な取引には不向きな通貨ペアといえるでしょう。

他にも経済指標発表時など価格が大きく変動するイベント時は、米ドル/円の通貨ペアであっても通常の何倍ものスプレッドを提示することがあり、スプレッドのサイズ変動に関しては常に気を配らなくてはいけません。

特に、ロスカットギリギリの水準で取引していた場合、わずかなスプレッドの開きが強制ロスカットの引き金になることもあるので十分に注意が必要です。

スプレッドのサイズが変化する理由

スプレッドのサイズが変化する理由には次のような要因が考えられます。

  • 市場の流動性の変化
  • 経済イベントやニュースの発表
  • 取引時間帯
  • ブローカーや取引所の政策
  • ディーリング方式の変更

これらはスプレッドが変化する要因の一つです。すべてを完璧に理解しておく必要はありませんが、おおざっぱでもいいので理由を理解しておくと、今後の取引が有利に進められるかもしれませんね。

市場の流動性

市場の流動性はスプレッドに大きな影響を与えます。

主に市場が活発であるほど、スプレッドは狭くなる傾向にあり、市場が不活発な場合は、スプレッドが広がります。これは、流動性が高いときは、多くの買い手と売り手が存在し、急激な価格変動が起きるリスクが低下するためであり、その分スプレッドが縮小します。

取引業者は、基本的にある程度のスプレッドを設けることで自社の利益と、円滑な取引システムを維持しています。そのため、急激な価格変動が起きにくい流動性が高い通貨は取引業者にとってもリスクが小さいため、スプレッドが小さくても運営に支障が発生しません。

経済イベントやニュースの発表

重要な経済指標の発表や政治的な出来事など、市場に影響を与える要因がある場合、スプレッドが拡大することがあります。これは、先程の流動性と同じ原理で、大規模な資金の動きは一時的に流動性を下げてしまいます。

売り手と買い手によって取引が成立するFXでは、どちらか一方の注文に偏ると注文が成立しなくなり、結果的に流動性が低下。注文が通らないリスクは取引業者の損失につながります。

このようなリスクを避けるために取引業者はスプレッドを広げ、自社のシステムを円滑に動作するように価格を調整しています。

消費者物価指数やFOMC、雇用統計など、経済動向に関する重要な指標発表時はほぼ確実にスプレッドが拡大。トレーダーには不利なレートになりやすくなります。事前にわかっている経済イベント発生時は取引を控えるのがセオリーでしょう。

取引時間帯

取引時間帯によってもスプレッドは変動します。例えば、ロンドンやニューヨークなどの主要な取引市場が開いている時間帯は、スプレッドが狭くなる傾向があります。一方で、アジア市場、ニューヨーク市場などが閉じている時間帯や週末などは、スプレッドが広がることがあります。

これも市場の流動性が大きく関わっており、主要市場が閉まっている時間帯では市場参加者が減少。注文が減ることで必然的に流動性が低下します。

前述の通り、流動性の減少はスプレッドの拡大につながるので、参加者が減る取引時間帯ではスプレッドが広くなる傾向にあります。

ブローカーや取引所の政策

結局のところスプレッドは、取引所やブローカーにの都合よって左右されるケースがほとんどです。そのため、ブローカーや取引所によって、スプレッドの変動ポリシーが異なり、一部のブローカーは、特定の時間帯や市場状況に応じてスプレッドを自動的に変更。

場合によってはトレーダーに不利な条件へと変更されるケースも存在するので、取引所からの通知メールは必ず気を通しておくと良いでしょう。

ディーリング方式の変更

ブローカーや取引所は、流動性プロバイダーと呼ばれる金融機関から価格を受け取り、それをトレーダーに提供しています。ブローカーが新しい流動性プロバイダーと契約したり、ディーリング方式を変更したりすると、スプレッドに変化が生じることがあります。

例えば、ノンデスクディーリング方式(NDD)と呼ばれる取引システムを採用している取引業者はスプレッドではなく取引手数料で利益を生み出す仕組みです。なので比較的スプレッドは小さく固定されています。

ところが、途中で業者がデスクディーリング方式(DD)と呼ばれるディーリングシステムに変更した場合、通常よりもスプレッドが広がる恐れがあります

DD方式では、自社で投資家の注文を調整。調整しきれなかった部分を市場にオーダーするカバー注文を行っています。カバー注文は取引業者の利益を守るための注文なので、カバー注文が多発し、カバーが間に合わないような価格変動が生まれた場合には、業者はスプレッドを広げてリスクヘッジを行うしかありません。

このディーリング方式の違いが、リスクヘッジに対する差となり、スプレッドが変化する要因となります。

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スプレッドの単位は2種類

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スプレッドには2種類の単位が使われています。基本的にUSD/JPY(米ドル/日本円)やEUR/JPY(ユーロ/日本円)では単位が“銭”。日本円を絡めていない通貨ペアでは“pips”が使われます。

pipsはFXの最小単位

FXの”pips”とは、外国為替取引市場で使用される最小の通貨単位です。pipは「price interest point」の略語で、通常、為替レートの小数点以下の変動を表します。例えば、USD/JPYの為替レートが109.50から109.55に上昇した場合、上昇した幅は5pipsとなります。

多くの種類の通貨を取り扱うFXでは、取引通貨ごとに単位を使い分けるのは非常に効率がわるいため、全通貨共通の単位としてpipsが用いられていると言われています。

FXを始めたばかりの人にとってはpipsは馴染みが無くわかりにくく思ってしまうかもしれませんが、数か月も取引を繰り返していれば自然と単位は馴染んできます。

実際にスプレッドとはどういうものか見てみよう

実際にスプレッドを見てみようのイメージ画像

では実際にはスプレッドはどの様に決められているのか、実際の取引プラットフォームを参考に見ていきましょう。

今回参考に挙げるのは海外FX業者“bitcastle”。この業者はFXのみならず、仮想通貨・金銀などのレアメタル・コモディティ・株価指数といった様々な商品が取引できます。

なかでもbitcastleのFXは業界最狭レートといわれるほどの低スプレッドとなっており、初心者からプロまで幅広いユーザーにおすすめのプラットフォームです。

まずはアカウントを開いておこう

スプレッドはトップページでも確認できますが、せっかくならアカウントを開設して取引画面から確認してみるといいでしょう。

アカウントの開き方は次の通り。

まずは下記リンクからbitcastleのアカウントを開設。

次にメニューバー上部のFOREXをクリック。

リアル口座開設をクリックします。

この時、アカウント作成時に求められる本人確認書類の提示が完了していないとリアル口座の開設ができませんので注意しましょう。

リアル口座の開設が選択できるようになったら必要事項を入力してアカウントを開設します。

ちなみにここで聞かれているプラットフォームとはFXを取引するためのアプリケーションのようなもので、基本的にMT5から変更する必要はありません。

取引通貨も日本円で取引するのであればJPYで問題ないでしょう。

MT5を持っていない場合

MT5のインストールが完了していない場合はFOREXページ下部にあるダウンロードからアプリケーションを入手します。

アプリケーションを立ち上げると口座選択画面が表示されるので、口座をbitcastle、口座番号をアカウント開設時に表示された番号で入力します。

MT5が立ち上がり、画面右下が接続完了となればOKです。

MT5からスプレッドを見てみる

bitcastleのスプレッドはプロ口座とスタンダート口座で最低レートが決まっています

  • プロ口座:0.8pipsから
  • スタンダード口座:1.1pipsから

プロ口座は最大レバレッジが低い分スプレッドが狭く、スタンダード口座はレバレッジが大きい分、スプレッドがやや広く設定されています。どちらの口座がいいのかはお好みですが、個人的には取引コストが抑えられるプロ口座がおすすめです。

こちらがMT5で見た取引画面の気配値です。気配値とはざっくり言えば、取引レートを一覧化したもので、一番左が取引通貨ペア。その隣が売り、一番左が買いレートです。

今回は、マイナー通貨のペアと時間帯も悪かったことが合わさってUSD/CHF(米ドル/スイスフラン)ペアのスプレッドは4pipsですが、コアタイムならもう少しスプレッドが狭まります。

レートはアルファベット順に並んでいるので、気になる通貨ペアがあったら、ぜひ確認してみて下さいね。

【まとめ】スプレッドは売買価格差

スプレッドとは、FXにおける売買レートの価格差です。スプレッドを設けることで、取引業者は利益を確保し、取引障害のリスクを低減しています。

スプレッドは一定の幅ではなく、取引時間や通貨のペア、市場の流動性や経済指標など、様々な要因で変化する為、スプレッドが広がりやすい時間帯での取引はあまりおすすめできません。

スプレッドを見極めて、できるだけ有利な環境で取引を始めてみると、勝率が上がるかもしれませんね。

執筆者 西村大樹