「税金反対」で南ノルウェーに土地購入、暗号通貨27種類OKの自治都市?現実的か?

南ノルウェーの山に囲まれた大自然を切り開いて作っているプライベートシティーがあります。そこはLiberstad(リバースタッド)という所です。

そして、既に100人以上の人がそこに土地を購入したのだそうです。そこではなんと27種類もの暗号通貨が利用できるということですが、既に売買は停止してしまったのだとか。売れてしまったということですね。ブラジル、スウェーデン、イギリス、その他の国から、2年以内に引っ越してくるようです。

自由主義者のためのリバースタッド

 

「課税は泥棒だ!」というスローガンと共に、リバースタッドは世界中から自由主義者をどんどん魅了していると、ローカルメディアはレポートしているのだそうです。

時間がありましたら、上の動画を見てください。ふとDASH村が頭に思い浮かぶ感じですね?

ウエブサイト情報では、112人の人が、既に、南ノルウェーのクリスチャンサンドからそう遠くない農地に設立された「アナルコキャピタリスト」の中に土地を買ったということですから驚きです。

ちなみに、アナルコキャピタリストというのは「無政府資本主義」というです。この言葉と「課税は泥棒だ!」というスローガンから、リバースタッドについて、なんとなくイメージできてしまった人もいるのではないでしょうか。

購入者はノルウェー、隣のスウェーデン、遠く離れたブラジルやイギリスなどを含めた28か国出身です。

更に、500人もの将来的な投資家が、ウエイティングリストにサインをしているんだそうです。人気があるようです。

27の暗号通貨でのお支払いOK

この土地のお支払いはビットコインキャッシュ(BCH)、ビットコイン(BTC)を含めた27種類もの暗号通貨が使えるということです。

27種類というのはかなり多い気がしますね?暗号通貨にかなり詳しくなければ、見たことも聞いたこともないようなモノもありそうですね。

この区画の価格はと言いますと、小さいもので1,000平方メートルで75,000ノルウェークローネ(9,400米ドル)、大きいものでは5,000平方メートルで375,000ノルウェークローネ、(47,100米ドル)で売れているそうです。

このリバースタッドに関わるチームでは、2020年までに引き渡しを終え、最初の住民が引っ越してくるであろうということです。

安全に生活できるのだろうかという疑問

このプロジェクトは、特定の地域で、生命、自由、そして財産を保護する、自発的で利益に基づく民間企業になることを目指しているそうです。

リバースタッドの設立者は、このプライベートシティーはユートピアのようなアイディアでなく、主要な要素は既に知られていて、一緒に暮らすための市場に移ったビジネスモデルであると主張しています……?

意味が分かりにくいので調べてみたら、、これは「Libertarian City Liberstad in Norway is Moving Forward Using Bitcoin as Primary Currency – Bitcoin News」にヒントがありました。

つまり、リバースタッドのチームは最初は全ての土地は個人的に所有する完全にプライベートシティーを作ることを目的とし、全ての公的なサービスは自発的に行う形を目指しているということです。

自治都市を目指したいという考え
リバースタッドを運営する会社のマネージャーであるジョンさんは、「香港やシンガポール、そして、モナコのような独自の経済を持つ自治都市にすることが長期的なゴールです。」と言ったとのことです。

更に、リバースタッドでは、幼稚園、学校、病院、退職後の住居、施設セキュリティーサービス、ゴミ回収、裁判所、保険会社はインターネット市場または、税金、強制なしの自発的な組織で提供されるであろうとのことです。

自分のビジネスを作る、という面ではおもしろそうです。ひとりひとりが得意分野で機能していく感じに近そうですね。

自分は体力に自信があるから警備員をやると宣言したら、リバースタッドでは特に資格も訓練もなく、その時からなれるのかもしれませんね。必要か、あるいは必要とされるかどうかはわかりませんが……。

しかし、老後をゆっくりと過ごすとか、別荘としてのんびり暮らせるというイメージとは違いそうな気がしますね。

自発的に行うビジネスの質の問題

リバースタッドの住人は、リバースタッド内の市場のビジネスのメンバーになることができるということです。

つまり、リバースタッドの住人のためだけの独自の市場ということです。これについては、参照記事を読むだけでは詳細はわからりにくいです。

しかし、ある程度の住民がいなければ、その仕事に向く人はいない場合もあるのではないでしょうか。

たとえば、幼稚園の先生に向いていそうな人がいないとか、警察のような仕事ができる人がいないとか、もっと大切なこととして、医師がいないとか、医療従事者の数が足りなすぎるとか……。

記事には、私設の警察とか消防局、水道局を準備したいが、それらの企業は招待されることになるかもしれないとあります。スカウトでもして、このプライベートシティーで働いてもらうという感じでしょうか。

さて、どうでしょうか。人員を確保できるのでしょうか?税金がないということは、所得税が引かれないでしょうから、かなりお得な気はします。けれど、生活していけるだけの給料を確保できるのでしょうか?

また、子供たちはしっかりとした教育は受けられるのでしょうか?そのようなことも、インターネットで解決できるのでしょうか?

ある程度、将来の住民を選定したのでしょうか?あるいは土地を買う時の条件に何か特別なモノがあったのでしょうか。

そのようなことが書かれたものは見つけられませんでしたが、住人はある程度選定した可能性もゼロではなさそうですよね?
リバースタッドはAtlantic Stationに影響を受けた
ジョンさんはアメリカのジョージア州にあるアトランタ市のAtlantic Stationに影響を受けたのだそうです。

このAtlantic Stationというのは屋外型モールです。モールといえば、入り口から入れば、もうずっと屋内で快適に買い物ができるのが一般的です。

つまり、Atlantic Stationはモールというよりも、アウトレットタイプになりますね。これで、このプライベートシティーが目指している外観がうっすらとイメージできますね。

ジョンさん曰く、自分たちが求めているのは非侵略と個人の財産権の原則を尊重することだそうです。

しかしながら、ローカルのメディアによると、彼らのプランは一部のノルウェー当局者によって却下されたということです。

現実的ではないという声も!

このプライベートシティーは州内で独立して存在しようとしているけれど、それは全く現実的ではないという意見もあるようです。

確かにそのように感じます。その国によって法律が違うでしょうから、わからないことだらけですが、小さくて、新しい土地で、政府が何も管理していないと、将来が想像しにくいでしょう。

急病人が出たとか、立てこもりの強盗殺人事件が起きたとかいう時には大丈夫なのだろうか……と不安になりませんか?

かなり専門的な訓練を受けている警官とか警備員がいないとわかれば、犯罪者に狙われそうな気がしますが、それもブロックチェーン技術でなんとかするのでしょうか?そのようなことは書かれていませんのでわかりません。

ただし、暗号通貨で暮らしていて、いわゆる現金をほとんど持たない人ばかりが住んでいれば、強盗の対象にはなりにくい気はします。そこはポイントかもしれません。

税金がないのはいいが好き嫌いがはっきりわかれそう

新しいものを自分たちで作り上げていくというロマンはありますね。

しかし、まだ完成していない山に囲まれた街に土地を購入して住むというのは、筆者には全く考えられないです。もう少し税金を払ってもいいので、安全を買いたいです。

さて、あなたなら、この土地買いたいですか?ネットがあればどこにいても仕事ができるという人であれば、税金対策には最高によさそうですね。

 
執筆者 西村大樹

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