全国初の仮想通貨差し押さえ! 駐車違反金滞納者への処分

11日、兵庫県警交通指導課は駐車違反をした車の所有者に課せられる駐車違反金についてビットコインなど3800円分の仮想通貨を差し押さえたと発表しました。

駐車違反金の支払督促に応じなかった兵庫県内の59歳の男性から仮想通貨による財産差し押さえを行いましたが仮想通貨が対象になったのは全国でも初めての事例です。

兵庫県警によれば違反金の支払い督促に応じなかった男性は平成18年10月から平成30年6月まで合計11件の駐車違反を繰り返し、違反金と延滞金合計が99700円になっていました。

預貯金などは一切なく男性が業者に預けていた仮想通貨に白羽の矢がたった形です。2017年4月から改正資金決済法により仮想通貨は「財産」として定義されたため、兵庫県警は差し押さ絵の対象にした模様です。

差し押さえとは

今回、兵庫県の男性はビットコインなどが差し押さえになったわけですが、そもそも差し押さえとは法的に言うと「強制執行」手続きの一つです。債権回収の法的手段として、裁判所が差し押さえた財産をお金に換え、債権者に分配することになります。

差し押さえの対象になるのは債務者(今回であれば違反をした男性)が所有する全ての財産です。預貯金、生命保険、車や不動産、株式など幅広いものが差し押さえの対象となります。財産価値があるものは差し押さえられると考えていいでしょう。

仮想通貨は差し押さえできないとの意見も

これまで、専門家や有識者の見解としても仮想通貨を差し押さえるのは難しいと言われていました。なぜなら、ビットコインなどの仮想通貨は中央管理がされていないものが多いからです。

通常の強制執行で給与を差し押さえるならば勤務先、預貯金なら金融機関、不動産なら法務局へ差し押さえ命令を出すことが可能です。

しかし、仮想通貨の場合、保有しているからといってどこに差し押さえ命令を出せば良いのか判断できません。発行元や管理団体が存在しないのでどこに差し押さえ命令を出せば良いのか判断できないからです。

ただ、今回、差し押さえしたのは「業者」に預けている仮想通貨とのことですから取引所のウォレットに保管されていたものでしょう。

通常、仮想通貨をウォレットから引き出すには秘密鍵が必要です。一般的に自分で管理するので他人には分からないのです。

ところが取引所に預けている資産について秘密鍵は取引所が管理しています。ですから、差し押さえ絵命令が出せたのです。

それを逆手にとるような悪質な税や違反金滞納者が増えなければいいと感じています。日本は仮想通貨を利用している人々を守るための法規制は先進的ですが税制を含めてユーザーが悪事を働こうとするものに関しては法整備が追いついていないような感じがします。

一気に広がった仮想通貨ブームですがいろんな法整備が整えられることに期待します。

執筆者 西村大樹

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