【2021年】カルダノの特徴や今後の動向は?仮想通貨「エイダコイン(ADA)」も解説

「カルダノの今後が知りたい」
「カルダノ・エイダコイン(ADA)の価格は上昇する?」

今注目されているブロックチェーンプラットフォーム「カルダノ」と独自トークンの「エイダコイン(ADA)」ですが、今後価値が上昇していくのかが気になるところです。

この記事では、カルダノの今後についてアップデートのリリースが予定されている時期や内容を踏まえて解説していきます。また、カルダノについて知っておくと役立つ基礎知識についてもご紹介していますので、ぜひお役立てください。

「エイダコイン(ADA)が注目されているけど今後はどうなる?」 「エイダコイン(ADA)を買って損する可能性はあるの?」 仮想通貨(暗号...
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カルダノのリアルタイムチャート

 

カルダノの基礎知識

カルダノ

まずはじめに、カルダノとは一体何なのか?カルダノの運営元はどこか?という点について解説していきます。

カルダノとはプロジェクトの総称

そもそもカルダノとは、仮想通貨のプロジェクトの総称を指します。ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)といった仮想通貨が抱える課題を解決するために発足されました。

これまでの仮想通貨は実験しながら運営されることがほとんどでしたので、バグなどの脆弱性が問題視されていました。例えば、2016年6月に起きた「The DAO」というプラットフォームでハッキングがあり、被害額は約360万ETH(当時約52億円)にのぼりました。これは総資金の約3分の1にあたります。

「The DAO」とはブロックチェーンが注目されはじめた頃に開発された分散型投資プラットフォームで、この事件はイーサリアム最大の事件と呼ばれることになります。「The DAO」のプログラムコードの脆弱性に気がついたハッカーがSplit機能によって保管する資金を別のアドレスへ移動させ、スマートコントラクトによってハッカー自身の残高が更新される前に報酬指示を出したのですが、被害額が約3分の1程度にとどまることができたのは、この事態に気づいた別のハッカーが残りの資金を別のアドレスに避難させたとう経緯があります。

2017年には仮想通貨取引所のコインチェックがハッキングされて5億2600万NEM(当時約580億円相当)の被害を受けましたが、原因追求に莫大な費用がかかることから原因がわかっていないままです。

カルダノは、このような仮想通貨の実験的な運営による脆弱性を解決するために、学術的な論文をベースに安全性が確立された開発を実施しています。カルダノが注目されている理由は、より安全で、より公正な取引ができることが挙げられるでしょう。

カルダノ上で使用される仮想通貨「エイダコイン(ADA)」を発行

カルダノは「エイダコイン(ADA)」という独自の専用通貨を発行しています。エイダコイン(ADA)は現在、大手取引所であるBinanceをはじめ30以上の取引所で取引が可能となっています。ちなみに名前の由来は、19世紀に実在した数学愛好家の貴族女性「エイダ・ラブレス」に由来しています。

エイダコイン(ADA)は2017年10月に取引が開始されました。発行枚数が圧倒的に多いという珍しい特徴を持ちます。ビットコイン(BTC)が2100万枚、ネム(XEM/NEM)が90億枚が発行上限にしていることに対し、エイダコイン(ADA)は450億枚に設定されているのです。

発行枚数に関して、身近な例から解説します。私たちが日常的に使用している円は日本の中央銀行である日本銀行が発行しているのですが、価値が下がりすぎないように・上りすぎないようにと発行数を政府や日本銀行が調整しています。円やドルなどの法定通貨は発行枚数に制限が設けられていないため、経済状況によって発行数を調整することが可能なのです。

一方、仮想通貨の場合はマイニングという作業の報酬として新規発行がされます。発行枚数が限られているということは、重要が高まればその分価値が上がりやすいという要素を持ちます。野菜も収穫量が減れば値段が高騰しますよね。逆に、たくさん収穫できて需要を供給が上回ると値段が下がります。金やダイヤモンドの価値が高いのも、発掘できる量が限られているにもかかわらず需要が高いからという理由です。

とは言っても、「発行枚数の上限が少ない=価値が高い」と一概に断言できません。その証拠に、イーサリアム(ETH)は発行枚数の上限が設定されていないにもかかわらず価格が上昇しています。

エイダコイン(ADA)は発行枚数に上限が設定されてはいるものの発行枚数が多いため、将来的に価値がつきにくいと思われるかもしれませんが、価格は上昇している傾向があります。2021年に入ってから再度価格がぐっと上昇し、2021年7月時点だと150円前後で売買されています。

カルダノの運営元

カルダノは「カルダノ財団」「EMURGO(エマーゴ)」「IOHK」の3つの団体によって運営されています。

カルダノ財団とは?

カルダノ財団は、スイスに拠点を持ち、独立した標準化団体です。コミュニティのサポートを行い、商業または規制に関する問題について取り組んでいます。

EMURGO(エマーゴ)とは?

カルダノブロックチェーンを用いるスタートアップやベンチャー企業への投資や支援を行っている企業です。2017年7月に株式会社EMURGO Japanが設立され、2018年5月にはシンガポールへ進出しています。

IOHKとは?

インプット・アウトプット・ホンコン(Input Output Hong Kong/IOHK)はIT技術に関する研究開発を行なう企業で、カルダノの開発を担当しています。イーサリアムの開発に携わった天才数学者であるチャールズ・ホスキンソン氏(Charles Hoskinson)がCEOを務めています。

カルダノの特徴

カルダノ

カルダノと他のブロックチェーンプラットフォームとの違いについて解説していきます。一言でまとめるならば、カルダノはこれまでの仮想通貨が抱えていた課題を包括的に解決してくという特徴を持っています。

詳しく見ていきましょう。

第3世代としての取り組み

仮想通貨は世代で分けられることがあり、カルダノ・エイダコイン(ADA)は第3世代に分類されます。第3世代としての取り組みについてお話しする前に、仮想通貨の世代について解説します。

仮想通貨は、ブロックチェーン技術の活用方法や変化の仕方によって世代が分けられています。

第1世代はブロックチェーン1.0とも呼ばれ、その技術はビットコイン(BTC)に活用されました。第1世代は仮想通貨そのものへの取り組みが目的でした。第2世代はブックチェーン2.0とも呼ばれ、仮想通貨以外の分野にも取り組みが広がりました。株やローンなどに活用されます。

そしてカルダノ・エイダコイン(ADA)が属する第3世代はブロックチェーン3.0に分類され、金融以外の分野への取り組みが目的とされています。第3世代のブロックチェーン技術は、医療や行政サービスへ拡大し、医療現場でのカルテ管理や行政での個人情報管理に活用できるようになりました。

第3世代の仮想通貨はカルダノ・エイダコイン(ADA)の他に、ルートストック(RSK)やアイコン(ICX)が代表的です。

安全性が確立された初のブロックチェーン

カルダノは、科学哲学と学術研究をもとに安全性が確立された初のブロックチェーンです。これまでの仮想通貨は、運営をしながら開発を進めることが一般的だったため、セキュリティとして脆弱性が強いという課題を持っていました。

カルダノは学術的な論文をベースにして開発され、新機能をアップデートする際などは安全性が確立されてからリリースされています。あとから問題が起こるリスクが少なく、これまでの仮想通貨と比較して安全性が高いと言えるでしょう。

2つのレイヤーで構成されたブロックチェーン

カルダノの最大の特徴とも言われているのが、ブロックチェーンが「会計」と「計算」の2つのレイヤーで構成されていることです。エイダコイン(ADA)の取引や決済などの一連の処理を行なっているのが「カルダノ・セトルメントレイヤー」で、会計の部分です。スマートコントラクトとアプリケーションの実行を行うのが「カルダノ・コンピュテーションレイヤー」で、計算の部分となります。

レイヤーを2つに分けることのメリットは、新しいアップデートやテストを実施する際に便利だということです。仮想通貨をアップグレードする時(ハードフォークと呼びます)、アップグレードするプログラムとアップグレードしなかったプログラムに分岐される(フォークと呼びます)のですが、これらにはバグが生じるリスクやリプレイアタック(送金情報などのデータ転送が不正に行われたり遅延させられる攻撃のこと)のリスクが上昇するという面を持ちます。

2つのレイヤーがあることにより、新機能をテストする際にコンピュテーションレイヤーをサイドチェーンとして利用することで、メインチェーンでのフォークを避けられるようになるのです。

残金管理はビットコインの拡張版を使用

カルダノの残高管理はイーサリアム(ETH)ではなくビットコイン(BTC)と同じUTXOという仕組みの拡張版を採用しています。UTXOは「Unspent Transaction Output」を略したもので、取引データに基づいて残高を計算する方法です。

公正かつ省エネが実現するPoSを使用

カルダノ・エイダコイン(ADA)は2020年7月末からPoS(プルーフオブステーク=掛け金の証明)になりました。PoSとは、仮想通貨の取引などを正常にブロックチェーンへ繋ぐための仕組みです。PoSはPoW(プールオブワーク=作業の証明)が持っていた課題を解決するという性質を持ちます。

カルダノの今後の動向

地球

カルダノの今後の動向について、具体的なリリース予定時期を交えながら解説をしていきます。

カルダノの開発ロードマップ

カルダノは5期の開発ロードマップがあり、現在は2021年3月に実施されたゴーゲンの細分化リリースであるMary(マリー)のアップデートまで進んでいます。

  • Byron(バイロン)
  • Shelley(シェリー)
  • Goguen(ゴーゲン)
  • Basho(バショウ)
  • Voltaire(ボルテール)

2021年7月時点での、今後の開発予定について詳しく解説します。

Goguen(ゴーゲン)

ゴーゲンは2021年9月のリリースをもって完了予定となります。ゴーゲンのアップデートでの開発目標は、スマートコントラクト「Plutus(プルータス)」の提供。スマートコントラクトのリリースに先立ち、すでにマリーでのアップデートにてマルチアセット台帳が実装され、カルダノ独自でトークンの新規発行が可能になりました。また、多くの資産をトークン化できるようになったのです。

これによってどのような変化があったのか説明すると、仮想通貨は一般的にブロックチェーンに組み込まれているスマートコントラクトによってトークン化が達成されるものだったのですが、カルダノではスマートコントラクトを介さずトークンを発行できるようになったため(ネイティブトークンと呼びます)、軽量かつ無駄な費用を抑えることが実現したのです。さらに、仕組みがシンプルになり、セキュリティ面も向上しました。もっと言うと、今後リリース予定のスマートコントラクトはバグの出にくいブログラミング言語「Haskell(ハスケル)」をベースにして開発されており、一層安全性に期待できるでしょう。

そして、カルダノからプルータスと同時にリリースされる「Marlowe(マーロウ)」も注目です。マーロウとはコーディングやデバッグをサポートする開発環境のことで、技術者のスキルに合わせて幅広い開発ツールが提供されます。専用のプログラミング言語であるMarlowe(マーロウ)の他、JavaScriptやHaskell(ハスケル)を利用できる他、「Blockly」によるノンプログラミング開発まで行うことができます。

下記のサイトで「Marlowe(マーロウ)」が体験可能です。

Marlowe(マーロウ)

Basho(バショウ)

バショウでの開発目標は、サイドチェーンの導入やスケーラビリティの改善など、カルダノの最適化を目指します。

バショウで導入されるサイドチェーンはカルダノのメインチェーンと相互運用性のある新しいサイドチェーンで、機能性の拡張に多くの可能性を秘めています。メインチェーンからサイドチェーンへ処理するトランザクションを分けてメインチェーンの負荷を軽減したり(スケーラビリティの改善)、リスクを最小限に抑えた新機能のテストも実施できるようになります。

その他、現在メインチェーンではUTXOモデルを使用していますが、サイドチェーンが導入されることで別のアカウンティングスタイルを並行して機能させられるようになり、高いパフォーマンス性・柔軟性・安全性を持ったプラットフォームへと成長することが期待できるでしょう。

Voltaire(ボルテール)

ボルテールでの目標はガバナンスです。自律性をもち、真の完全分散化を目指してエイダコイン(ADA)所有者が管理を維持できるよう、投票システムやトレジャリーシステムをプロトコルを取り込みます。

カルダノ・エイダコイン(ADA)が今後ブロックチェーンの開発や保全を実施するための持続可能な資金調達や、それに伴う意思決定を下す仕組みが必要となります。それに向けたテストとして、研究・エイダコイン(ADA)保有者の同意及び投票を組み合わせた財務メカニズム機能を適用し、資金を調達しています。

資金の調達は、資金として最初から割り当てられている今後新規発行されるエイダコイン(ADA)と、ステーキングによる報酬及び取引手数料の20%、また、寄付から成り立ちます。この資金は、言わばカルダノを運用していくために必要な税金と言えるでしょう。

投票自体はダイダロスで直接実施でき、エイダコイン(ADA)の保有量が多いほど意思決定への影響力が大きくなります。専門家に投票権を委託することも可能です。投票することはエイダコイン(ADA)の価値を高めることにつながり、取引が増えると価値の上昇に期待が持てます。逆に言えば、エイダコイン(ADA)の価値が下がるような行動は反対に票を入れ阻止しなければならないのです。どの道投票することでインセンティブが貰えますので、エイダコイン(ADA)の価値を維持または上昇させるためにも投票はとても大切だと言えるでしょう。

大学や企業との連携

カルダノの開発組織であるIOHKはアメリカにあるワイオミング大学へエイダコイン(ADA)50万ドル分の寄付を行ない、同大学にブロックチェーン研究開発ラボを開設しました。IOHKはこれまでに、エジンバラ大学・アテネ大学・東京工業大学に同様のセンターを持っています。

今後も大学や企業との連携が進めば、取引数や価値も上がっていくことが予想されます。

新規取引所への上場

カルダノ・エイダコイン(ADA)は以下のような大手の海外取引所にて売買が可能です。

  • Binance
  • OKEx
  • Bittrex
  • Kucoin
  • FTX

カルダノ・エイダコイン(ADA)は、新規取引所へ上場する度に価格が上昇しました。残念ながらまだ日本国内での取引所には上場していないのですが、今後取引数が増えることで上場する可能性も十分考えられます。

【まとめ】カルダノの今後について

カルダノはゴーゲン期でのスマートコントラクトのリリースをはじめとする大幅なアップデートに期待が寄せられています。2021年に入って価格が高騰してからも段階的な価格の上昇が見られますので、今後期待を寄せている投資家も多いと思われます。

一時期は詐欺などと怪しまれることもありましたが、安全性や利便性の高さから価値が認められ、今後も利用者は増えていくでしょう。エイダコイン(ADA)で即時決済ができる「AdaPay(エイダペイ)」の国内普及にも期待です。

執筆者 西村大樹