ハリー・マーコウィッツの名言から学ぶ、FX取引のリスク管理術

正解や必勝法の無い投資の世界では、自分なりの投資哲学を身に付けなくては勝てるようにはなりません。

しかし、投資哲学を身に付けるには、膨大な勉強量と経験必須。初心者が一朝一夕で身に付けられるものではありません。

とはいえ、せっかく投資に興味を持ったなら、なるべく早く勝てるトレーダーになりはずです。

そんな方にピッタリの勉強法が“過去の偉人の名言”に学ぶ投資哲学です。

有名な投資家の名言には、多くの経験と相場の本質が込められています。

もし今あなたが投資に迷っているなら、偉人たちの名言をヒントにすると、新たな発見があるかもしれません。

そこで今回は、偉大な経済学者であるハリー・マーコウィッツの名言を紹介。FXにおけるリスク分散の重要性を解説していきます。

「分散投資は唯一の無料ランチだ」

ノーベル経済学賞を受賞した経済学者、ハリー・マーコウィッツは、現代ポートフォリオ理論の提唱者として知られています。
彼の代表的な名言に次の言葉があります。

「分散投資は唯一の無料ランチである」

この言葉の意味を簡単に言うと、「リスクを減らしながらリターンを維持する、唯一の“ただの得”な方法が分散投資」ということです。
つまり、すべての資産を1つの投資対象に集中させるのではなく、複数の対象に分けて投資することで、特定の資産が値下がりしても他の資産で補える。

結果的に、全体のリスクを抑えながら安定した成果を目指せるという考え方です。

では、この「分散投資」という考えをFXに落とし込むと、どう活かせるでしょうか？

FXは「通貨ペアの売買」を通じて利益を狙う取引ですが、1つの通貨ペアだけに依存するのは非常にリスキーです。

マーコウィッツの理論をFXに当てはめると、次のようなアプローチが考えられます。

多くのトレーダーが陥りがちなパターンは、「ドル円だけ」「ユーロドルだけ」など、1つの通貨ペアに集中することです。
しかし、各通貨ペアにはそれぞれ異なる要因で動く特徴があります。

例えば：

このように、相関の低い通貨ペアを組み合わせることで、リスクを分散できるのです。
例えばドル円が下落しても、豪ドル円やユーロドルが別の方向に動くことがあり、損失を部分的に打ち消す効果が期待できます。

分散は「通貨」だけではありません。
同じFX取引でも、「短期トレード」と「長期スイング」など、異なる時間軸のポジションを組み合わせることで、リスクを分散することができます。

これらを併用することで、どちらかが不調でも他方で補える可能性が生まれます。まさにマーコウィッツの言う「無料ランチ」に近い考え方です。

FXでは「どこに投資するか」だけでなく、「どれだけ投資するか」も極めて重要です。
同じ通貨ペアにエントリーする場合でも、ロット数を分けたり、複数回に分けてエントリーすることで、結果的に損失を平準化できます。

たとえば：

このような資金の「時間的分散」も、マーコウィッツ理論の実践的応用の一つです。

マーコウィッツの理論をFXに応用する最大のポイントは、“集中”ではなく“組み合わせ”で安定を作ることです。
FXはレバレッジが高く、短期間で大きな利益も損失も出やすい世界ですが、だからこそ「リスクを分散する」という視点が不可欠です。

以下の3つを意識すると良いでしょう。