近頃話題となっている仮想通貨Stacks。ビットコインの利便性を高める仮想通貨として最近注目を浴びていました。開発コンセプトが特徴的であり、その他の仮想通貨とは趣向が異なるため、情報を集めている方も多いのではないでしょうか?
本記事ではそんなStacksについて特徴や将来性、現在の価格推移のテクニカル分析を徹底解説します。是非最後まで目を通していってください。
目次
Stacks(STK)とは
Stacksはビットコインの利便性を高めるために開発された仮想通貨で、旧名称を「Block Stacks」と言います。メインネットのリリースは2021年1月と比較的新しいですが、海外の大手仮想通貨取引所ではすでに取り扱いを始めています。
Stacksは通信プロトコルの名称であり、この通信プロトコルを利用してビットコインのブロックチェーン上に、「スマートコントラクト」や分散型アプリケーションである「dApps」を実装することを目的としています。特にスマートコントラクトに関して、現在はイーサリアムを中心に開発されており、ビットコインとの互換性はありませんでしたが、このプロジェクトが成功すればイーサリアムとビットコインでスマートコントラクトの互換性が誕生するかもしれません。
【補足】
通信プロトコル:コンピュータやネットワーク同士をつなぐ共通規格のことです
例えば日本人同士がコミュニケーションをとるときには一般的に日本語を話します。この日本語にあたる部分が通信プロトコルです。つまりコンピュータ、もしくはネットワーク同士がコミュニケーションを取れる共通言語のことを通信プロトコルと言います。
スマートコントラクト:取引の自動処理プログラムのことです。初めに定めたルールに合致する限り、以降の取引を自動で行うことから管理者を必要としない分散型の取引を可能にします
Stacks(STX)の特徴
Stacksの特徴はサービス提供やアプリケーション開発を目的とした仮想通貨ではなく、ビットコインの利便性を高める通信プロトコルとして開発された点です。ビットコインの強みをそのまま生かしつつ弱点であったセキュリティ、安定性、利便性を高めることができるStacksの技術的特徴を詳しく解説していきます。
STX
Stacksは独自トークンであるSTXを発行しています。StacksのプラットフォームはSTXトークンにより運営されていて、特別な役割を果たしています。
主な役割は
- スマートコントラクトの実行
- トランザクションの処理
- Stacksブロックチェーン内での暗号資産としての価値
これら3つが挙げられます。特にSTXはStacksプラットフォーム内では資産として取り扱われる点が大きな特徴となっています。その他の仮想通貨のトークンは仮想通貨の開発資金の調達のために発行されたり、仮想通貨の送金手数料などに利用されるもので、暗号資産としての扱いではありませんでした。
資産として取り扱っているSTXトークンは決済処理などのトランザクションをはじめ、様々な処理が可能になる為、今後はデジタルアセット(価値のあるデジタルデータ)としての価値にも期待です。
dApps
Stacksがビットコインに実装する予定のdApps。このアプリケーションシステムを導入することでどういったメリットがあるのか、詳しく解説します。
dAppsはdecentralized applicationsの頭文字を略したもので、ブロックチェーンを利用したサービスを提供するアプリケーションの総称のことを言います。スマートコントラクトを動作させる仕組みを応用した分散型アプリケーションで、以下のような特徴があります。
- アプリケーションのシステムは、ネットワーク上の参加者の合意によってすべてが決定する自立型のアプリケーション
- アプリケーションの管理者は存在せず参加者に分散管理されている
- アプリのプログラムはオープンソースであり、誰でも開発に参加でき、ブロックチェーンを利用している
- 自由に交換することのできるトークンの発行を発行しアプリケーション内でトークンのやり取りを自動で行う仕組みが構築されている
dAppsはStacksは以外でも開発されていて、自立型、分散管理という面からゲームや金融アプリケーションに利用されることが増えています。Stacksは金融アプリケーションとして稼働する場合、ビットコインのブロックチェーン上で構成されているため、流動性や決済の利便性の向上に期待が持てます。
Clarity(クラリティ)
StacksはClarityというスマートコントラクトが開発できるプログラミング言語を採用しています。従来のプログラミング言語との違いは言語が簡単であり、安全性が高いスマートコントラクトの開発ができることです。
ビットコインにスマートコントラクトの実装させるには課題が多く、従来のプログラミング言語ではスマートコントラクトを後から実装するには技術的に困難でした。
Stacksはそういった技術面の課題を解決するためにClarityを採用し、スマートコントラクトの開発をより簡単なものにしました。
dAppsについての情報はこちら
Stacks(STX)の現在の推移価格
Stacksの日足のチャートです。
今後の投資方針は「買いポジションを入れるチャンス」です。その根拠を現在の価格動向から解説していきます。
現在の価格動向
現在Stacksは2.06ドル付近で取引されています。直近高値は3ドル、直近安値は1.75ドル付近となっています。Stacksのメインネットが公開されて以降価格は上昇を続け、4月に2.7ドルの高値を付けた後再び価格は上昇し、12月には3ドルを超えて最高値を更新しました。
今後の展望
Stacksは今後も上昇傾向にあると予想しています。しかし今後1~2か月で3ドル以上の価格で推移できる可能性は低いかもしれません。
STXトークンの新しい情報やSTXトークンを決済として利用できる新規のプラットフォームの参入があれば話は変わりますが、あくまでチャートパターンと出来高によるテクニカル分析の面から言えば3ドル付近は価格が上に抜けにくい抵抗として機能するでしょう。
次は具体的戦略です。
買い時・売り時ポイント
- 2ドル~1.75ドル付近で買い
- 1.75ドルを下回れば損切
9月以降Stacksの価格は1.75ドルから3ドルの幅で推移しており下値も買い支えがしっかりしていることが分かります。下値が限定されている限りは価格が2ドルを切ったタイミングで買いポジションを取るとリスクを減らすことができます。仮に1.75ドルを下回るともう一段下の節目の価格1.5ドルが買い支えのラインとして機能してくれそうですが信頼度はあまり高くありません。
下落を待って1.5ドルあたりで買いポジションを入れる手もありますが、ここまで価格が崩れてしまうと一時的な下降トレンドに入ってしまう可能性もあるのであまりにも下落が速いときの買いポジションはお勧めしません。
Stacks(STX)の今後と動向
Stacksは今後ビットコインの実用化を大きく加速させる可能性をもっている仮想通貨です。投資目的としての保有は非常に堅実な選択肢になるでしょう。
Stacksは2019年仮想通貨として初めてSEC(米国証券取引委員会)の認証を受けました。これによりStacksはSTXトークンを2800万ドル販売提供することが可能になりました。
SEC認証は暗号資産の価値が明確に金融商品として認められた瞬間です。このニュースは仮想通貨の世界に非常に大きなインパクトを与え、仮想通貨の新たな可能性が生まれました。
そういった背景から現在StacksとSTXトークンは金融取引の実用化に向けていくつかのプロジェクトが始動しています。
2021年6月、韓国のセブンイレブンでSTXトークンでの決済が可能になるというニュースがありました。韓国の決済プラットフォームであるPayCoinとStacksが提携したことによりPayCoinアプリ内からSTXトークンが利用可能になりました。
70,000を超える韓国のPayCoin加盟店ネットワークの支払いにSTXトークンが選択できるようになったのです。
韓国の例が成功すれば今後STXトークンの認知度や普及率は一気に高まることが予想されます。そうなれば同じブロックチェーンに存在しているビットコインの利用価値も同じように高まるでしょう。
決算取引利用ができる仮想通貨としてStacksの将来性は大きく期待できます。
ビットコインについて改めて知りたい方はこちら
Stacks(STX)の購入方法
現在国内の仮想通貨取引所ではStacksを取り扱っておりません。
海外の大手仮想通貨取引所ではすでに取り扱いを始めているため、主要な取引所をいくつか紹介します
- バイナンス
- Kucoin
- OKEx
- OKCoin
これらの仮想通貨取引所で購入可能です。特にバイナンスはSTX/USDTペアでの出来高が約2600万ドルとアルトコインの中では比較的大きな部類になります。
短期的な投資を行うならバイナスがおすすめです。
【まとめ】Stacks(STX)は将来的に仮想通貨決済サービスの主力になるかもしれない
Stacksについてまとめてみました。StacksとSTXトークンがSEC認証を受けたことによって今後決済利用に使用できる仮想通貨としてのシェアを広げていく可能性が非常に高くなりました。
Stacksが構築されているブロックチェーンにはビットコインが存在します。そのためStacksの利便性の向上はそのままビットコインの利便性の課題を解決することにも繋がり、利便性や安定性を備えたビットコインは仮想通貨のパワーバランスを大きく変える可能性まであります。
そんなビットコインのさらなる飛躍のカギになるStacks、要注目です。
執筆者 西村大樹