今回は、P2P型ファイル共有ソフトウェアBitTorrentの独自トークンBTTについて、将来性を踏まえながら特徴や価格推移、今後の動向について解説していきます。
BitTorrent(BTT)に興味がある方は、ぜひご一読ください。
目次
BitTorrent(BTT)とは
プロジェクト名 | BitTorrent(ビットトレント) |
ティッカーシンボル | BTT |
運営開始 | 2001年 |
運営元 | BitTorrent, Inc. |
拠点 | アメリカ合衆国サンフランシスコ |
公式サイト | https://www.bittorrent.com/ |
公式Twitter | https://twitter.com/BitTorrent |
BitTorrent(BTT)は、アメリカ合衆国サンフランシスコに本社をおくソフトウェア開発会社BitTorrent, Inc.のサービス及び仮想通貨プロジェクトです。
BitTorrentは2001年、Yahoo!で事業戦略担当をしていたアシュウィン・ナビン氏と開発者のブラム・コーエン氏により発足したP2P型ファイル共有ソフトで、Bit(情報の最小単位)+Torrent(急流)の字のごとく、データを急流のように素早く落とせるという意味を持っています。
P2P型ファイル共有ソフトと言えばWinnyやShare、Limewire、Cabosなどのソフトウェアを思い浮かべる方も多いかと思いますが、BitTorrentはこれらの先陣を切る元祖P2P技術として世界中に多数のユーザーを抱えているという強みがあります。
BitTorrentの仕組みは、「ソフトウェアからデータをダウンロードすると、ダウンロードしたコンピューターが同じデータをアップする」といったものなのですが、ダウンロード後アップロードする前に離脱するユーザーが多く、仕組みがうまく回らないといった事象が起こっていました。
そこで、データをアップロードしたユーザーに独自トークンBTTを報酬として付与することになり、仮想通貨プロジェクトとして動き始めたのです。
マイナスイメージを払拭したBitTorrentの進化
BitTorrentについてもう少し詳しく見ていきましょう。
BitTorrentに並び、P2P型のファイル共有ソフトの代表格である「Winny」では、過去に著作権法違反の疑いがあると利用者や開発者が逮捕・起訴された経緯があります。最終的に無罪を勝ち取った冤罪事件となりました。「Winny事件」と呼称され、その事件内容はソフトウェア開発関係者にとどまらず、一般ユーザーにも広く知れ渡ることとなります。
このような経緯もあり、「P2Pソフト=違法」というマイナスイメージがついてしまいました。
この逆境を乗り越えたのが、BitTorrentの新サービス「BitTorrent Sync」です。BitTorrent Syncは、従来のような不特定多数のユーザーとデータを共有し合うのではなく、家族や友人といった小さなコミュニティ内での共有に限定し、データ容量を気にせず写真や動画を送りあえるという画期的なサービスへと進化したのです。
GoogleドライブやDropboxといったファイル共有サービスとの大きな違いは、これらのサービスは一度インターネット上にファイルをアップロードしなければなりませんが、BitTorrent Syncはコンピューター同士が直接データをやり取りすることから、アップロード容量という概念がなく、送受信速度が速いという特徴があります。インターネットを介す必要がないため、セキュリティ面も安心ですね。
BitTorrent Syncの他にも、BitTorrentの技術を活用した動画配信サービス「BitTorrent DNA」などの開発・提供も行っています。
日本法人BitTorrent株式会社設立と提携
BitTorrent, Inc.は、2007年に日本法人BitTorrent株式会社を設立し、日本国内での発展を目指し始めます。
法人設立時はBitTorrent, Inc.が100%出資していたのですが、その後、 出版・映画配給・ソフトウェアの製造販売などを手がける角川グループホールディングスと資本・業務提携をし、コンテンツ配信を主業務とする通信インフラ提供事業者・株式会社Jストリームとの協業が進みます。
角川グループは2008年に再編が実施され、中間持株会社の角川マーケティングに株主が変更。さらに売却が実施されました。
BitTorrent(BTT)の特徴
仮想通貨プロジェクトとしてのBitTorrent(BTT)の特徴を見ていきましょう。
BitTorrent(BTT)は、TRC-10規格を利用したトークンで、IEOによって資金調達がなされました。
以前のBitTorrentで問題となっていたアップロード後の離脱問題に対するアプローチについてもご紹介します。
特徴①トロン(TRON/TRX)の規格TRC-10を採用
BitTorrent(BTT)は、トロン(TRON/TRX)の規格TRC-10が採用されています。
BitTorrentは当初オープンソースでの提供でしたので収益性が非常に低く、仮想通貨プロジェクトの発足にあたりトロン財団より買収されることとなりました。
トロン(TRON/TRX)は、エンターテインメントに特化した分散型プラットフォームで、データ処理能力が高く、ブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズムではエネルギーを節約できるPoSを採用しています。
【参考記事】トロン(TRON/TRX)の詳細についてはこちら
特徴②BinanceでIEOを実施
BitTorrent(BTT)は、Binanceを通じたIEOを実施し、日本円でおよそ8億円の資金調達に成功しました。
IEOとはInitial Exchange Offeringの略称で、仮想通貨取引所を仲介してトークンセールを行うサービスのことです。
仮想通貨のトークンセールはICOというトークンの発行者とユーザーが直接やりとりする資金調達方法が主流で、長期間に及ぶ審査の手間が省けることから、トークン発行元とトークンの購入を希望するユーザーの双方から人気がありました。しかし、気軽に資金調達できてしまうという弱みにつけ込み、詐欺被害が多発する事態に。
そこで新しい資金調達方法としての需要を高めたのがIEOです。IEOはブロックチェーン技術を用いた分散型取引所・DEXを介してトークンセールを行うもので、金融庁との長期間に及ぶ審査期間が不要ながら、透明性の高い自律したDEXが上場審査を行うため、IEOで上場すると信頼性の高い仮想通貨ということで世間からの注目を浴びるというメリットがあります。
特徴③貢献度の高いユーザーにインセンティブ
BitTorrentでは、プラットフォームへの貢献度が高いユーザーに対してインセンティブを与える仕組み「BitTorrent Speed」が盛り込まれています。
手数料としてBTTを支払えば、データファイルを優先的にダウンロードできるようになっており、データファイルをアップロードしたユーザーはインセンティブを受け取れるといったものです。
当初のBitTorrentで問題となっていたアップロード前の離脱を回避することができる上、スピーディにダウンロードしたいユーザーの希望も叶えられる好循環を生み出すことに成功したのです。
BitTorrent(BTT)の現在の推移価格
仮想通貨BitTorrent(BTT)は、市場ランキング57位、総合サプライ990,000,000,000BTT、時価総額306,536,672,025円、1BTT=0.3096円で取引されています(2021年12月23日時点)。
価格推移のポイントとしては、リリース直後と2019年のBTTWalletがテスト環境に入った発言時、そして2021年4月には仮想通貨取引所PoloniexでBitTorrent(BTT)のステーキングサービスが開始したタイミングでの高騰です。
これまでの経緯から、BitTorrentにまつわる新たなサービスローンチ・サービス拡大のタイミングで高騰を見せていることがわかります。
BitTorrent(BTT)の今後と動向
BitTorrent(BTT)の強みは、何といっても利用者数の多さです。
利用者は20億以上ものユーザー数、ウォレット利用者数は2億人を超えています。ユーザー数を見るとビットコイン(BTC)よりも多く、将来性を秘めている仮想通貨と言えるのではないでしょうか。
今後の課題は、利用者が年々減少していくP2P型のファイル共有ソフトの需要にどう立ち向かえるか、数ある共有ソフトでどう勝ち残っていくか、という点にあると考えられます。
BitTorrent(BTT)の購入方法
現在BitTorrent(BTT)は国内のどの仮想通貨取引所にも上場していませんので、海外の仮想通貨取引所で購入する必要があります。
- Binance
- Huobi Global
- OKEX
- Bitfinex
- Poloniex等
BitTorrent(BTT)を保有するのであれば、IEOを実施したBinanceがおすすめです。Binanceはユーザー数世界トップクラスの取引所で、日本語にも対応していますので、英語が苦手という方にも安心して利用できるかと思います。
【参考記事】Binanceの概要や登録方法に関してはこちら
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まだBitTorrent(BTT)の上場はありませんが可能性はゼロではありませんし、今なら最大50$分の仮想通貨が貰えますので、この機会に登録してみてはいかがでしょうか。
【まとめ】BitTorrent(BTT)の将来性はサービス次第
P2P型のファイル共有ソフトは、「匿名性」や「不特定多数」といったキーワードを共通してもっていましたが、BitTorrent(BTT)は従来の概念を覆す「個人を特定できる、限定的なコミュニティ」へと方向転換に踏み切りました。
これまでの動向を鑑みても、価格の段階が上昇するかどうかはサービス次第だと予想できます。
ライブストリーミングコミュニティ「DLive」のサービス提供を開始するなど、時代の流れに沿って積極的に取り組んでいることがわかりますので、将来性に期待できる仮想通貨なのではないでしょうか。
執筆者 西村大樹