仮想通貨リップル(XRP)の特徴は?今後の見通しを解説

「リップル(XRP)ってどんな仮想通貨なの?」

「リップル(XRP)の将来性が知りたい」

世界中には仮想通貨(暗号資産)が2000種類以上あります。そのなかでも、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などに続いて、時価総額第7位(2021年7月現在)の仮想通貨にまで成長し、日本国内でも取引の多いリップル(XRP)が気になる方も多いのではないでしょうか?

近年、仮想通貨は世間でも認知され、注目度が高まっています。リップル(XRP)について詳しく知りたいけどよくわからないという方のために、ここではリップル(XRP)の概要やメリット、デメリット、今後の見通しなどを詳しく紐解いていきます。

リップル(XRP)のリアルタイムチャート


リップル(XRP)の特徴

リップル(XRP)は、従来の国際送金が抱えていた「手数料が高く、時間がかかる」という問題を解決するために、2004年にアメリカの「Ripple Inc.」という企業が考案し、2013年に正式に配布を開始しました。

管理の主体が存在する

リップル(XRP)は、ビットコイン(BTC)と異なり、リップル社(Ripple Inc.)という管理の主体が存在します。リップル社が大量のリップル(XRP)を保有しており、毎年少しずつ市場に送り出すことで運営資金を確保しています。

中央集権型の仮想通貨

リップル(XRP)の取引は、ブロックチェーンのような分散型台帳技術ではなく、リップル社が管理する「バリデーター」という承認者の多数決によって合意されます。

分散型の場合は、あらゆる決定や変更はコインに関わる不特定多数の参加者たちによって決めていく必要がありますが、リップル(XRP)の場合はリップル社がリップル(XRP)の半分以上を保有し、さらに保有しているほとんどのリップル(XRP)をロックアップしているため、リップル社がリップル(XRP)を自由に動かせない状態です。

取引に関わることやスペックの変更などについては、すべてリップル社の指揮下で行われます。処理の多くはリップル社が管理するサーバーで行われています。

ブリッジ通貨の役割

銀行経由の国際送金は、送金手数料の高さや送金速度の問題があります。リップル(XRP)は仮想通貨のなかでも処理速度が速く、送金手数料は1円をはるかに下回るとされています。例えば、ビットコイン(BTC)が送金に平均10分程度かかる一方で、リップル(XRP)は数秒程度で送金が完了します。

そのため、「日本円↔︎リップル(XRP)↔︎米ドル」のように、国際送金を行う場合にリップル(XRP)を通して送金されることがあります。

リップル(XRP)は、将来的に様々な価値の交換を仲介するブリッジ通貨としての役割が期待されています。

独自のコンセンサスアルゴリズムを採用

リップル(XRP)が、高速かつ安価の国際送金を実現できている理由は、独自のコンセンサスアルゴリズム「XRP LCP」(XRP Ledger Consensus Protocol)にあります。コンセンサスアルゴリズムとは、仮想通貨の取引や送金データに不正やエラーがないことをネットワークの参加者が特定のルールに基づいて検証し、承認することでその取引やデータについて合意を形成するための仕組みです。

「XRP LCP」では、「バリデーター」という承認者の80%以上が正当だと判断した取引のみが、合意形成されたものとして扱われます。ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの管理主体のいない仮想通貨のように、大量の計算を行って合意を形成する必要がないため、高速かつ安価な送金システムを実現することができています。

リップル(XRP)の発行枚数は1,000億枚

発行枚数の上限が2,100万枚であるビットコイン(BTC)に対して、リップル(XRP)は1,000億枚を上限としています。

仮想通貨のなかで総発行枚数を設定しているものを「デフレ通貨」と呼びます。総発行枚数を設定することにより需要と供給のバランスがわかりやすくなります。リップル(XRP)の需要が増えれば増えるほど貴重になっていき、リップル(XRP)の価値が自然と上がっていきます。

ただし、あまりにもリップル(XRP)が高騰した場合、リップル社が保有しているリップル(XRP)を市場に放出することで、価格を正常化させる可能性があります。

マイニングを行わない

ビットコイン(BTC)のような、取引を承認し、報酬として仮想通貨を受け取るまでの一連の作業のことを「イニング」と呼びます。リップル(XRP)は、このマイニング作業が不要です。

リップル(XRP)は発行上限枚数が1,000億枚と決められており、そのすべてが2005年にリップル(XRP)の分散型台帳が動き始めた時点で、すでに発行されています。そのため、今後新たにマイニングを必要はありません。

リップル(XRP)のメリット

ここではリップル(XRP)のメリットをご紹介していきます。

国際送金の手数料が低い

前述したように、リップル(XRP)は仮想通貨のなかでも処理速度が速く、送金手数料は1円をはるかに下回るとされています。例えば、ビットコイン(BTC)を送金する際には手数料が0.001BTC、リップル(XRP)は0.15XRP発生します。2021年7月時点のビットコイン(BTC)は401万円、リップルは110円で計算すると、ビットコイン(BTC)は約4,000円、リップルは約17円となり4,000円近くリップル(XRP)の方が安く送金できます。

大手の金融機関が参加している

世界40カ国以上、300社以上の金融機関が「RippleNet」に参加しています。日本国内ではSBIホールディングスや三菱UFJなどの企業が参加しています。また、海外では「タイ銀行」や「イングランド銀行」などの、国の中央銀行、つまり日本でいう「日本銀行」にあたるような国家を代表する金融機関も、リップル社と提携を行なっています。

このように、世界各国の金融機関と提携していることからも、リップル(XRP)の信頼性は高いといえます。

投機取引が盛んに行われている

リップル(XRP)の価格は伸びていますが、まだまだ実用的な取引は少なく、投機的な取引がほとんどです。

(※投機取引とは通貨そのものが持つ目的ではなく、売買差益を目的として取引することです。)

リップル(XRP)は、本来の用途である国際送金ではなく、現在の取引のほとんどすべてが「投機取引」だと考えられています。そのため、リップル(XRP)にとって前向きなニュースが発表された場合などは、価格が上昇する可能性が高いのです。

リップル(XRP)のデメリット

ここではリップル(XRP)のデメリットをご紹介していきます。

有価証券として扱われる可能性がある

リップル(XRP)は今後、有価証券として扱われる可能性があります。

2021年7月時点で、リップル社は米証券法に違反しているとして提訴され裁判中です。

リップル社は、リップル(XRP)が有価証券に該当しないと反論していますが、この裁判でリップル(XRP)が有価証券と判断されると、リップル(XRP)を購入する際の規制が株式と同じものになるデメリットがあります。

もし証券法違反の判決が出た場合には、取引所での上場廃止となるかもしれません。その場合は大きな下落が見込まれます。一方で、リップル社の勝訴判決が出た場合は、市場の信用を大きく取り戻すことになり、価格の上昇が見込まれます。

現在進行形の裁判のため、今後の動向をチェックしていく必要があります。

中央集権型のシステム

仮想通貨の多くは「どの国の人でも平等に使えるように」と、分散型のシステムが用いられています。リップル社は将来的に分散型ネットワークへ移行すると発表していますが、その時期は明らかなっていません。なかには、中央集権型の運営はリスクを伴うと指摘する人もいます。一つの企業が仮想通貨を管理しているため、万が一リップル社が倒産した場合にリップル(XRP)の価格がどうなるか分からないというリスクがあります。

価格の変動が大きいため損をする可能性がある

リップル(XRP)は価格変動が高いという特徴があります。これは短期間で利益を出しやすいというメリットがありますが、逆にいえば短期間で大きな損失を出してしまう危険性があるのです

初めは少額から取引を開始し、慣れてきたら少しずつ増やしていくようにしましょう。いきなり高額取引を行うにはリスクが大きい仮想通貨だといえます。

リップル(XRP)の購入可能なオススメ取引所

ここでは、日本国内で購入することができるリップル(XRP)のオススメ取引所をご紹介します。

Coincheck(コインチェック)

  • 国内ダウンロード数No.1の使いやすいアプリ
  • 国内最多の全16種類の仮想通貨を取り扱っている
  • 東証一部上場企業が親会社で信頼性が高い

東証一部上場企業であるマネックスグループが親会社のため、信頼性が非常に高く、初心者の人でも安心して取引することができます。また、アプリの国内ダウンロード数No.1という点も重要なポイントです。直感的に操作できるため、初心者でも特別な操作をせずに使うことができます。他の取引所と比較しても、スマホアプリはダントツの使いやすさです。

さらにCoincheckなら、リップル(XRP)の取引にかかる手数料も無料です。

「手数料の安さ」「使いやすさ」「信頼性」を総合的に判断すると、Coincheckはリップル(XRP)の取引に最適な取引所といえます。

bitFlyer (ビットフライヤー)

  • 国内最大級のユーザー数・取引高を誇る仮想通貨取引所
  • 全13種類の仮想通貨を取り扱っている
  • シンプルな操作画面で初心者でも使いやすい

bitFlyer (ビットフライヤー)は、取引量が多いため流動性が高く決済がしやすいという特徴があります。少額でもトレードができるため、少額投資に向いている取引所といえます。

GMOコイン

  • 高性能チャート「TradingView」が使える
  • スマホ用の取引ツールが本格的
  • 小額から入金が可能

リップル(XRP)の価格を予想するのに役立つテクニカル指標がいくつも用意されており、チャートの時間足は9種類と豊富にあります。本格的にチャートを使いながら、リップル(XRP)の取引をしたい人におすすめの取引所です。

さらに、仮想通貨の取引で最も大事な、セキュリティが非常に高いという点で安心して利用することができます。

また、GMOコインの入金最低額は1,000円からとなっています。小額からリップル(XRP)の購入を行うことができるため、大きな金額を支払うのが不安という人にもオススメです。

DMM Bitcoin(DMMビットコイン)

  • 国内で唯一のレバレッジ取引が可能
  • 全12種類の仮想通貨を取り扱っている
  • 365日サポート対応がある
  • 最短当日中に取引を始められる

リップル(XRP)だけではなくその他のアルトコインもレバレッジ取引に対応しています。少ない資金で効率よく仮想通貨を取引をしたい人にオススメです。また、最短で当日中に取引を始められるのもメリットと言えます。

ただし、DMM Bitcoinのレバレッジ取引は1日ごとに手数料が発生するため、リップル(XRP)を長期保有する場合は手数料が積み重なるなどの注意点もあるため、事前に理解して取引をしましょう。

リップル(XRP)の今後について

ここでは、リップル(XRP)の今後の見通しをご紹介していきます。

リップルネットワークの拡大

2021年7月現在、リップル社は既に世界数十カ国の銀行や決済業者と提携しており、リップル(XRP)による送金システムを用いた実証実験を行っています。既に、住信SBIネット銀行では、リップル(XRP)の技術を活用したスマホ送金アプリ「Money Tap」をリリースしています。

今後さらにリップルネットワークが拡大することで、リップル(XRP)のさらなる認知度向上とともに大きな需要が期待されます。

他の仮想通貨の相場に左右されやすい

リップル(XRP)が最近高騰したのは、2021年4月でした。このときは、ビットコイン(BTC)が低調ななか、リップル(XRP)やイーサリアム(ETH)など複数のアルトコインが急上昇しました。24時間で40%を超える上昇は話題になり、リップル(XRP)の知名度を引き上げるきっかけになりました。

上昇した理由としては、ビットコイン(BTC)が低調になると、アルトコインの購入が加速するとの見方があります。また、リップル(XRP)もイーサリアム(ETH)も知名度の高いアルトコインであり、イーサリアム(ETH)が先に高値を更新していることから、リップル(XRP)も引っ張られたとも考えられます。

2020年秋ごろからの仮想通貨市場がにぎわいはじめ、「まずはビットコインから」と仮想通貨投資を始めた投資家が、ビットコイン(BTC)以外のアルトコインに目を向け始めたことも上昇の一因となったとされます。

今後もビットコイン(BTC)の低迷やイーサリアム(ETH)の上昇などの要因が重なったときに、知名度の高いアルトコインのリップル(XRP)に投資家の資金が流れ込む可能性は十分にあるといえます。

Googleからの出資を受けている

リップル(XRP)の発行元であるリップル社には、Googleの子会社が出資しています。

出資を受けている場合、出資元の企業との提携などが行われることがあるため、サービスの普及を見込むことができます。

Googleは世界中にユーザーが存在する検索サービスを中心に、多くの事業を手がけています。将来的にはGoogleが提供する決済サービスでも、リップル(XRP)が利用できる日が来るかもしれません。

【まとめ】リップル(XRP)は今後注目度の高い仮想通貨

リップル(XRP)は、国際送金という大きな市場での将来性があります。リップル(XRP)は、異なる通貨の間に立って価値交換を可能にするブリッジ通貨として機能することで国際送金プロセスを円滑にしています。

そして、24時間365日、毎秒1,500件の取引を処理できる能力を有しており、ひとつの取引が数秒で完了するため、今後も国際送金を行ううえで重宝される仮想通貨だといえます。

また、今後リップル(XRP)が有価証券として扱われるか裁判をしている最中ということからも、リップル(XRP)の最新情報を小まめにチェックするのがよさそうです。

このように、リップル(XRP)は、世界中から将来を期待され、注目されている通貨の1つです。リップル(XRP)の動向をしっかりチェックして、購入するタイミングを逃さないようにしましょう。

執筆者 西村大樹