アルトコインで盤石の地位を築いているイーサリアム。イーサリアムは4段階のハードフォークを経て完成形となる予定です。すでに、第1段階、第2段階が終了し第3段階は2段階に分かれています。
第3段階の2段階目であるコンスタンティノープルは11月中に完了する見込みでしたが延期が決定しました。今回はイーサリアムのハードフォークの延期の原因を中心に紹介します。
コンスタンティノープルが来年1月に延期へ
イーサリアムのハードフォーク、第3段階ので2段階目の内容であるコンスタンティノープルは当初、11月中に完了する予定でした。しかし、延期が発表され来年の1月に完了する見通しとなりました。
原因は開発陣がバグを見つけ動作がストップしてしまうなどから延期に踏み切った模様です。ハードフォークのためのテストネット上でバグを発見し取引の記録ができなくなるトラブルが発生したとのこと。
開発者の一人であるAfri Schoedon氏はツイッターでコンスタンティノープルの年内完了はないと発信し、調査が必要としています。
コンスタンティノープル延期の影響
コンスタンティノープルは残念ながら延期になり、他のプロジェクトにも影響が出ると考えられます。コンスタンティノープルの延期により、当初、直後に予定されていたProgPowがコンスタンティノープルに間に合う可能性が出てきました。
ProgPowはASICマイナーによるマイニング市場の寡占を減らす施策となります。イーサリアム財団のMartin Holste Swende氏によればコンスタンティノープルが来年の1月になればProgPowをその時期に間に合うように努力すると発しています。
イーサリアムのハードフォークについて
イーサリアムは5つの段階(ハードフォーク)を踏んで完成形に向かう予定になっています。それぞれの名称と時期、内容は以下のようになっています。
名称 | 時期 | 内容 |
①フロンティア | 2015年7月 | スマートコントラクト試験、バグ修正 |
②ホームステッド | 2016年月 | トランザクション処理速度改善、マイニング難易度調整 |
③-1ビザンティウム(メトロポリス) | 2017年10月 | PoWからPoSへの変更準備 |
③-2コンスタンティノープル(メトロポリス) | 2019年1月 | データ保存のコスト変更、ASICマイナーの寡占防止策など |
④セレニティ | 時期未定 | PoWからPoSへ変更完了 |
すでに終わっているのはビザンティウムまでです。イーサリアムは2015年に発行された仮想通貨で、すぐにスマートコントラクトの試験やバグ修正が行われています。
スマートコントラクトは契約を自動化してくれる仕組みで、各業界から注目を浴びている技術でもあります。
その後もイーサリアムは着々とハードフォークや開発が進んでいます。ホームステッドではマイニング難易度の調整アルゴリズムを変更し、取引承認までに必要な時間が5秒から20秒と使い勝手が良くなりました。
ちなみに、ホームステッドが完了した頃に多くの企業やイーサリアムを活用するようになり、イーサリアムの価格が大きく上昇しました。
第3段階のビザンティウムではイーサリアムが採用しているマイニングの仕組みであるPoWからPoSへの移行準備が行われます。
PoWはビットコインも採用しているマイニングの仕組みで計算処理能力が重要です。PoSはコインの保有量が重要視され、マイニング市場の寡占化の防止やマイニングに使うコンピュータの消費電力の削減につながります。
PoSは最終段階のセレニティで完全公の予定ですが、時期は未定となっています。
イーサリアムのハードフォークは仕様変更
仮想通貨のハードフォークと聞くと、コインの分裂を考える方もいるでしょう。確かに、ハードフォークにより新たなコインが誕生するケースもあります。
しかし、イーサリアムのハードフォークはネットワークの仕様変更のことです。ビットコインはハードフォークによって新たなコインが誕生していますが、それとは異なります。
イーサリアムクラシックは過去、ハッキング被害にあった際の利用者救済のために発行した仮想通貨となります。
執筆者 西村大樹