FXとバイナリーオプションの一つであるハイ＆ロー。どちらも小資金で始められるということで、初心者に人気の投資商品です。
ところがこの二つの投資商品、似ているようで全く違う性質を持っています。この違いを理解しておかないと、どちらの投資でも成功することは難しいでしょう。
そこで今回は、FXとハイ＆ロー、これらの違いについて詳しく解説します。これからハイ＆ローを始める方、どちらの投資を始めようか悩んでいる方にピッタリの内容です。
ぜひ最後までご覧ください。
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目次
FXとは
まず両者の違いを紹介する前にFXとはどういった投資商品なのか、再確認しておきましょう。
FXとは日本語で外国為替証拠金取引といい、異なる国の通貨同士の為替レートの変動を利用して利益を追求する金融取引です。
一般的には個人投資家や投機家が行いますが、金融機関や企業も外貨のヘッジなどの目的で行うことがあります。
FX取引は、通貨ペアと呼ばれる2つの異なる通貨の価格差を利用して利益を得ることを目指します。例えば、ドル/円の通貨ペアでは、ドルの価格が円に対して上昇するか下落するかを予想し、それに応じて売買を行います。
他にも、通貨ペアによって異なる金利差を利用して金利を受け取るスワップポイントという稼ぎ方もあります。この方式は、金利差分必ず利益が生まれるメリットがありますが、価格変動が大きい場合、金利以上に損失が発生することがあります。
FXはレバレッジを使って取引するのが一般的
FX取引は証拠金取引を利用して、資金以上の金額を取引する“レバレッジ取引”が一般的です。これは、証拠金と呼ばれる一部の資金を口座に預け入れて、証拠金以上の金額を取引できるようにする方法です。
レバレッジは小さな証拠金で大きな資金を動かせることから、てこの原理という意味を持っています。
証拠金は通常、取引する金額の一定割合で入れなければならず、これを証拠金維持率といいます。
証拠金維持率が高く設定されている取引所ほど、ある程度の資金が必要になり、低く設定されている取引所では小さな資金で大きなレバレッジを掛けることが可能です。
レバレッジを掛けた証拠金取引は非常に便利なトレードスタイルである一方、相応のリスクも伴います。FXでは適切なリスクで取引を行うことが重要です。
小額の証拠金で大きな取引が可能です。ただし、レバレッジを使うことで利益の拡大だけでなく、損失も拡大する可能性があるため、注意が必要です。
FXのリスク
FX取引は株式や現物取引(証拠金を利用しない取引)に比べて、リスクの高い投資といわれています。
- 地政学的なリスク
- 資金管理リスク
- 急激な市場変化による価格変動リスク
FXで勝つためには相場の予測や、リスク管理の能力が求められ、取引を行う前には、市場の動向や基本的な分析手法について深く学ばなければなりません。
資金を全損してしまわないためにも、十分な知識と経験を身につけることが重要です。さらに、投資家はリスクを最小限に抑えるために、自分に適したリスク許容度や適切な資金管理を行う必要があります。
上記にも示したようにFXには様々なリスクが存在します。このリスクをすべて避けることは困難であり、投資家はあらゆるリスクの可能性を考慮したうえで取引に臨むことが重要です。
ハイ＆ロー(バイナリーオプション)とは
ハイ＆ロー(以下バイナリーオプション)は、金融取引の一種であり、非常に単純な形式のオプション取引です。参加者は、特定の資産（株式、通貨ペア、仮想通貨など）の将来の価格動向を予測し、その方向に対して資金を掛けます。
バイナリーオプションの基本的な考え方は、ある資産の価格がある時点である範囲内に入るかどうかを予測することです。
この“ある時点”というのが重要で、それまでの価格動向の過程は一切考慮されず、決められた時間の価格帯のみが勝敗に影響を与えます。
極端な話をすれば、“ある時点では対象商品の価格は上昇する”と予測したとしましょう。その後、判定時間まで価格はずっと予測よりも下回っていましたが、判定時間の一瞬だけ予想通りの動きをすれば勝利となります。
反対に、判定時間の一瞬だけ予測が外れたらそれは負けトレードです。
この様に非常に短期間のイレギュラーな値動きで勝敗が変動するバイナリーオプションは、難易度の高い取引方法と言えるでしょう。
バイナリーオプションの損益
バイナリーオプションは、予測が的中した場合には固定された利益が得られますが、外れた場合には損失が発生します。
利益は掛け金に“ペイアウト”を合わせたものが固定利益となり、ペイアウトが高いほど高い利益が得られます。
反対に損失は掛け金のみとなり、ペイアウトは関係ありません。
利益・損失ともに固定された金額となるバイナリーオプションは資金管理がしやすいオプション取引とも言えますね。
バイナリーオプションのリスク
バイナリーオプションにはFXと同じく、いくつかのリスクが存在します。
- 短期間に何度も繰り返しエントリーができる
- 値動き以上の損失が発生する場合がある
- 規制リスクが高い
バイナリーオプションは勝敗の判定時間を短くする短期間で何度も取引することができます。これは負けが続くと心理的に闇雲なトレード生みやすくなる原因となり、値動き以上の損失が発生するリスクとなります。
バイナリーオプションは固定された損益という、資金管理がしやすいといったメリットがあります。しかしその一方で、短期間で何度も取引するうちに想定以上の損失が発生するリスクも考慮しなくてはいけません。
そのため、ヨーロッパの一部の国々や、アジア圏の取引市場ではバイナリーオプションを規制していることろもあり、利用しているプラットフォームが規制の対象になるか常に監視しておくことが重要です。
FXとハイ＆ローの違い
ハイ＆ローの違いには次のようなものが考えられます。
- 取引規模の違い
- 取引のスタイル
- 損益の考え方
- 証拠金の有無
- 取引商品の違い
このほかにも細かな違いはありますが、大きく違うのはこの５点です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
取引規模の違い
FXとハイ＆ローには決定的な違いとして取引規模の差が挙げられます。そもそもFXは、投資としての側面だけでなく、通貨の実際の取引やヘッジとしての側面も持っています。
企業や金融機関は、国際的な取引や海外進出などに伴う為替リスクを管理するためにFX市場を利用することもあるため、世界規模の取引市場と言えるでしょう。
一方でハイ＆ローは、バイナリーオプションというオプショントレード商品の一つでしかありません。
オプション取引とは、予め決められた期日で売り買いする権利を取引する商品のことで、為替とは違い、権利自体に価値はありません。権利に価値を付けているのはあくまで証券会社です。
つまり、ハイ＆ローを始めとしたバイナリーオプションは証券会社が販売している小規模な商品と言い換えることもできるわけです。
全世界のトレーダーは注目しているFXの市場と、FX市場と同じレートを判定基準にしているハイ＆ローは市場規模があまりにも違います。この差が規制リスクや極端なハイリスクハイリターンを生んでいるということを、参加者は強く意識する必要がありますね。
取引のスタイル
FXとハイ＆ローでは、取引スタイルが異なります。具体的には短期から中長期まで幅広いレンジで取引できるFXはファンダメンタル分析やテクニカル分析を考慮に入れながらの取引が基本です。
しかし、ハイ＆ローは短期的な取引が中心となるため、注目すべきはプライスアクション。つまり短期的な値動きです。
瞬間の取引が重要となるハイ＆ローはデータを蓄積するテクニカル分析が機能しないことが多く、瞬間の判断でエントリーしなくてはなりません。
そのため、勝つためには過去の値動きのクセや市場の流れを読むことが大切で、この直感は過去の経験値があってこそ培われます。
FXのようにセオリーとなる勉強法がなく、自分で勝ち方を模索していくハイ＆ローは、トレードスタイルに大きな違いが出る投資です。
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損益の考え方
FXとハイ＆ローでは損益の考え方が全く異なります。まずFXはある地点でエントリーしたポジションに対して、反対売買(買いで入ったポジションなら売り、売りで入ったポジションであれば買いという決済方法)をすることで損益が発生します。
この時値動きが大きければその分損益が大きくなり、反対に値動きが小さければ損益が小さくなります。
そのため相場のボラティリティ(値動きの大きさ)に対してポジションサイズを調整するといったリスクコントロールが可能です。
ところがハイ＆ローは利益も損失も固定されています。したがってボラティリティの大小にかかわらず損益が一定でリスクコントロールが効きません。
その分FXでは利益が出しにくいボラティリティの小さな相場でも大きく勝てるメリットがあるので、上手く利用できればFXよりもエントリーチャンスの多い投資商品です。
証拠金の有無
ハイ＆ローは固定されたオプションを購入する投資商品です。ですのでFXとは違い、エントリーに証拠金が必要ありません。
極端な話、口座に入れた全資金を投資に回すことができるので、小資金の取引に向いています。
FXは前述の通り、取引には証拠金が必要です。いくら大きなレバレッジを掛けられるとはいえ、証拠金が無ければ取引に参加することはできません。
この違いは資金効率の差として現れ、小資金であるほど、ハイ＆ローの方がリターンの大きな投資商品といえます。
取引商品の違い
FXは法定通貨のペアのみにしか投資できませんが、ハイ＆ローは数多くの金融商品を取引することができます。
例えば債権や株式、金属、仮想通貨など、あらゆる市場の値動きに対してハイ＆ローはオプショントレードが可能です。
投資商品の選択肢が広がる分、投資戦略の幅が広がり、為替に比べると小規模なマーケットである仮想通貨や金属市場の方が稼ぎやすいといった投資家もいます。
FXで勝てなかった人が、バイナリーオプションでは勝てるようになったという話は、この投資商品の選択の自由度が大きな要因の一つとなっていることは間違いないでしょう。
仮想通貨のハイ＆ローをチャレンジするならbitcastle
価格の上下を当てていくハイ＆ローは、値動きが一方向に進む金融商品の方が相性がよいとされています。
その中でも、特に相性がよいとされるのが“仮想通貨”です。仮想通貨は他の金融商品に比べて流動性が低く、値動きが一方向に進みやすいという特徴があります。
仮想通貨の急騰・急落のニュースをよく見るのはこの性質によるものですね。特に下落方向に発生したトレンド(値動きの方向性)は逆行がなく一気に進んでいく印象です。
短期間で勝敗が付くハイ＆ローは発生したトレンド方向に何度もエントリーすることが可能で、上手く流れを掴むことができれば値動き以上の利益が望めます。
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【まとめ】FXとハイ＆ローは全く違う投資商品
FXとハイ＆ローはどちらも為替相場を利用して取引できるため、似たような投資商品と思われがちです。
しかし、中身を見てみると両者は全く違う性質の投資商品です。
これらを混同して取引に臨んでしまうと、予期せぬ損失が発生したり、資金をすべて失う可能性すらあります。
それぞれの違いをよく理解して、その時に最適な取引方法を選ぶとよいでしょう。
執筆者 西村大樹