“仮想通貨投資をしている。”そんな風に言うと「ギャンブルはやめておきなさい」なんていわれたことがある方、実は結構いるのではないでしょうか。
確かに仮想通貨投資というと“一晩で何百万も儲けた”とか“一瞬で資金が全部溶けてしまった”みたいな話をよく耳にします。
これだけ聞けば、仮想通貨投資はギャンブルのように思うかもしれませんが、実際はれっきとした資産運用の部類です。
そこで今回は仮想通貨投資について、ギャンブルではない理由とギャンブルとの違いを紹介していきます。
仮想通貨投資はギャンブルだからと中々手を出せていない方は、この記事を読んで本当にギャンブルなのかしっかりと見極めてくださいね。
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目次
仮想通貨投資とは
仮想通貨投資がギャンブルであるかどうか以前に、そもそも仮想通貨投資とはどのようなものかご存じでしょうか。
仮想通貨投資とは、株や債券と同じくキャピタルゲイン(売買差益)を狙う投資方法です。つまり、安く買って高く売ることで利益を得る投資商品というわけですね。
仮想通貨は他の金融商品に比べて急激な価格変動があるため、かなり慎重なアプローチが求められます。特に資金管理を始めとしたリスク管理は仮想通貨投資においては最重要項目です。
資金配分、リスク許容度の設定、購入銘柄の選定など、資産をすべて失わないようにするための予防線は“これでもか”というくらい張っておきます。
投資を行う準備は株と一緒
また、仮想通貨投資をするための準備として情報収集も肝心です。仮想通貨は日々新しい情報が更新され、SNSのコミュニティでは最新の銘柄情報が更新されています。
多くの情報の中から材料を探し、市場の動向やトレンドを把握。信頼性のある情報源を活用しながら、投資戦略を立てる。この一連の行動は株式投資と何ら変わらず、仮想通貨投資も真剣に取り組めば投資の一環であることが分かります。
ただし株式と違うのは将来にわたる成長性。企業の成長に対して資金を投じる株式投資は長期的なスパンで投資戦略を立て、場合によってはキャピタルゲインよりもインカムゲイン(配当益)に注力して投資をすることもあります。
ところが仮想通貨は概念そのものが新しく、将来にわたる成長性には疑問が大きい商品でもあります。
長期的な目線で行う投資において、不確実性の高い仮想通貨は、中・短期投資に向いている少し特殊な金融商品といえますね。
仮想通貨投資がギャンブルと呼ばれる理由
株式同様、資金を投じ、キャピタルゲインを狙う仮想通貨投資が、なぜギャンブルと呼ばれるのでしょうか。
考えられる理由は次の5つ
- 仮想通貨がまだどういうものか理解されていない
- ボラティリティ(価格変動率)が大きい
- レバレッジを掛けた取引が可能
- 投資資産としての歴史が浅い
- そもそも投資をギャンブルだと思っている人がいる
そもそもギャンブルとは、お金や財産を賭けて、価値のある何かを得ようとする行為全般を言います。
例えば競馬や、宝くじ、パチンコ、スロットなどがこれにあたります。ギャンブルの勝敗は運の要素が大きく、賭けに勝った時の射幸感が強いといった特徴があることから、こういった条件を満たす事例は大体ギャンブルと呼ばれています。
仮想通貨投資はまさに運の要素と射幸感が大きくかかわっているため、携わったことがない人にとってはギャンブルに見えるのでしょう。
ここからは仮想通貨投資がギャンブルと呼ばれる理由について深堀していきます。
仮想通貨がまだどのようなものか理解されていない
仮想通貨投資がギャンブルと呼ばれる理由の最たるものが“仮想通貨についてよくわからない人が多い”という背景なのではないでしょうか。
数年前に話題になったビットコイン長者の時には、「なんだかよくわからない仮想通貨を持っていたらあっという間に大金を手にした」なんてニュースが報道され、“仮想通貨=大儲けができるもの”として認識した人も少なくないはずです。
しかし実際にはそんな急騰を見せる銘柄は異例であり、多くの仮想通貨はゆっくりとした値動きをしています。
それ以前に“なんだかよくわからないもの”として認識されている仮想通貨への投資は、運任せのゲームとして理解している人も多くいます。
ところが実際に仮想通貨投資をするには銘柄を分析し、プロジェクトの方向性を記してるホワイトペーパーを熟読。適切なリスクを取ったうえで投資をしています。
決して運任せに行っているわけではなく、株式同様戦略を立てて資金を投じている仮想通貨投資はギャンブルではありません。
仮想通貨投資をギャンブルと考える人は、仮想通貨に対するネガティブなイメージがが大きいのかもしれませんね。
ボラティリティが大きい
ギャンブルの要素の一つに“射幸感”というものがあります。これは幸福を感じる感情のことで、ギャンブルにおいては一度に獲得できる金額が大きいと射幸感が大きくなるとされています。
キャピタルゲインを狙う仮想通貨投資は売買差益が大きいほど利益が大きくなり、その大きさはボラティリティの大きさに比例します。
つまり、ボラティリティの大きな仮想通貨は、勝った時の利益が大きく、射幸感が生まれやすいのでギャンブルとして考えられているのでしょう。
しかし、仮想通貨に関わらず、投資で得られるリターンは、ボラティリティとポジションサイズ(投資金額)のかけ算で決まります。
なので、どれだけ小さなボラティリティでもポジションサイズを上げれば大きなリターンが得られますし、利益の幅はコントロールすることができるわけです。
何も考えずに仮想通貨へ投資し、気が付いたら利益が出ていた。なんてことになればギャンブルにも思えてしまいますが、実際に挑戦してみると利益も損失もコントロールできる仮想通貨投資はギャンブルではないことが分かります。
レバレッジを掛けた取引が可能
仮想通貨投資はレバレッジを掛けた取引が可能です。レバレッジとは入金した資金を担保にその何倍もの金額を取引するトレードスタイルのことです。
例えばビットコインを取引しようと思った場合、1枚買おうと思ったら資本金は300万円は欲しいところ。
しかし、レバレッジを掛ければ必要となる資金は小さくなり、仮にレバレッジ100倍でビットコインを取引したとすると、1枚購入するのに必要な資金は3万円で済みます。
この様に、少ない資金でも大きな金額を取引できるレバレッジ取引は、上手く利用するとあっという間に大金を稼ぐことが可能で、その勢いはまさに射幸心をあおるといっても過言ではありません。
こういった性質こそ、まさにギャンブルといえるでしょう。インターネットでレバレッジと検索すると“ギャンブル”や“危険”といったワードをよく目にします。
そのため、仮想通貨のレバレッジ取引というだけでギャンブルのイメージが付いてしまい、それが結果的に仮想通貨取引全般がギャンブルとして捉えられているのでしょう。
実際、レバレッジは投資の世界では当たり前に行われている投資方法で、株式、為替、コモディティトあらゆる金融資産の取引に利用されています。
運任せに高いレバレッジで取引を繰り返せば、それはギャンブルとなってしまいますが、トレードに対する向き合い方ひとつでレバレッジ取引すべてがギャンブルになるというわけではありません。
投資資産としての歴史が浅い
仮想通貨とは投資資産としての歴史が浅く、その価値に対して懐疑的な一面もあるため、仮想通貨投資をギャンブルであると考えている人がいます。
しかし、現在仮想通貨は、日本国内において“暗号資産”として令和2年5月1日から金融庁の管理下に置かれるようになりました。
この改正により、仮想通貨は国家が認めた財産という扱いに変更。投資に関しても金融庁のルールに従う必要があります。
以前は仮想通貨に法規制などはなく、自由に取引できていたため、半ばギャンブルのような取引があったことは事実です。
今では法整備が始まり、資産としての地位を確立した仮想通貨ではありますが、当時のイメージが強い人にとっては仮想通貨投資はギャンブルという印象が根強く残っているのでしょう。
そもそも投資をギャンブルだと思っている人がいる
仮想通貨に関わらず、利益が出るかどうかわからないものに資金を投じる投資全般をギャンブルだという人もいます。
確かに将来性が不確定なものに資金を投じ、レバレッジを掛けて小資金で大金の獲得を狙う投資方法は見る人によってはギャンブルに見えるかもしれません。
取引の取り組み方によっては投資にもギャンブルにもなる金融商品への入金は、投資に触れてこなかった方にしてみるとギャンブルと違いがないように見えるのかもしれませんね。
投資は取り組み方次第でギャンブルにもなる
仮想通貨投資に関わらず、戦略もなく大きなレバレッジを掛け、運任せに資金を投入するような取引はギャンブルといわれてもやむを得ません。
しかし、戦略的に取り組み、運だけではなく緻密な分析によって取り組んだ投資はギャンブルとは言えないでしょう。
つまり投資家本人の向き合い方次第で投資はギャンブルにも投資にもなります。
投資をギャンブルにしてしまう人の特徴
投資をギャンブルにしてしまう人の特徴には以下のようなものが挙げられます。
- 一度に大金を得ようと無茶な取引を繰り返す
- 特に分析もせず、適当に投資に参加する
- リスクを考慮していないハイレバレッジトレードを行う
ギャンブル投資をする人の特徴に共通するのは“簡単に大金を得ようとしている人”です。ろくに下調べもせず、簡単に稼げそうという理由だけで、運任せの取引を繰り返す人はほぼ例外なく、ギャンブル同然の取引を行います。
そういった人は、たまに大勝ちするとその射幸心からさらに大きなポジションを持つようになり、そのうち大負けして資金を失う人がほとんど。
これではパチンコや競馬と何も変わりません。何も考えずに大金を得るだけを目的とした取引はギャンブルでしかないということを忘れてはいけません。
投資をギャンブルにしない人の特徴
一方で投資をギャンブルにしない人もいます。ギャンブルではない投資をする人の特徴は次の3つ。
- リスクとリターンを計算している
- 相場を分析したうえで臨んでいる
- 運任せのトレードをしない
投資をギャンブルではなく資産運用として取り組んでいる人は、少しでも勝率を上げるためにあらゆる努力をしています。相場の分析はもちろん、リスクとリターンのバランスの検討、適切なレバレッジなど、確実にお金をふやす作戦考慮しているのが一般的です。
そこまで努力しても必ず勝てるようになるとは限りませんが、少なくとも真剣に投資をしている人は勝ち負けのコントロールをして、相場から退場をしない努力をしています。
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【まとめ】仮想通貨投資はギャンブルにも資産運用にもなる
仮想通貨投資は、トレーダーの取り組み方ひとつでギャンブルにも資産運用にもなります。結局将来性が約束されていないものにお金を投じることは、人によってはギャンブルに見えるかもしれませんし、そうではないかもしれません。
大切なことは、仮想通貨投資をギャンブルにしないように、投資に対するリスクとしっかり向き合い、わずかでもいいのでリターンが生まれるように長期的に取り組むことです。
簡単そうだから、といい加減な気持ちで始めて、大金夢見た見た無茶なトレードはギャンブルと同じ。投資に参加している意識をもって慎重に挑戦してみて下さいね。
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執筆者 西村大樹