【仮想通貨】イーサリアムとは違うの?Ethereum Classicとは

THE DAO事件が発端となって誕生したEthereum Classic。ビットコインと並ぶ知名度を持つEthereum(イーサリアム)ト同じネーミングを持つことからこの銘柄を知っている人も少なくないでしょう。

しかし、この銘柄Ethereumと名はつくものの、元祖Ethereumとは全く別の概念で作られた銘柄です。

そこで今回は、Ethereum Classicについて誕生の背景と将来性、特徴について詳しく解説します。

今さら聞けないEthereumに関する知識を深堀して紹介していきます。

「仮想通貨に興味があるけれど何から勉強したら勉強したらいいか分からない」という方にとっては仮想通貨の基本、Ethereumがよくわかる内容となっています。

是非ご覧ください。

参考記事はこちら

https://bitcastle.io/column/post-17798/

仮想通貨イーサリアム(ETH)のガス代が何か分からない方に向けて書きました。イーサリアム(ETH)の概要から、損せずして送金スピードを上げるために行うべきガス代の設定方法についても紹介しています。ぜひ読んでみてください。

Ethereum Classicとは

Ethereum Classicとは、Ethereumとは異なる概念で作成された仮想通貨です。特徴は発行枚数の限定とセキュリティ性能の高さ。

拡張性が広く汎用性が高いEthereumに比べセキュリティ性能が高いEthereum ClassicはEthereumとの差別化を図ることを目的としています。

Ethereumについて

Ethereumは、分散型アプリケーション(DApp)やスマートコントラクトを実行するためのブロックチェーンプラットフォームです。

ネイティブトークンであるETHはプラットフォーム上でのやり取りに使用でき、トランザクションの手数料(ガス代)の支払いに利用されるケースがほとんど。

他にも多くの分散型アプリケーションにEthereumのブロックチェーンは使用され、NFTやブロックチェーンゲームの多くがEthereumのネットワークに対応した規格のトークンを使用しています。

ビットコインに次ぐ知名度を誇るEthereumは、今の分散型アプリケーションの基礎を支えるブロックチェーンとなりました。

Ethereum Classicの特徴

Ethereum Classicは次のような特徴を備えています。

  • IoT分野への活用
  • サイドチェーン構造
  • 発行上限が設定されている

詳しく見ていきましょう。

IoT分野への活用

Ethereum Classicはその高いセキュリティ性能により、IoT分野への応用ができると期待されています。

IoTとはInternet of Thingsといい、「モノのインターネット」とも呼ばれる技術の概念です。

これは、様々な物理的なデバイスやオブジェクトがインターネットに接続され、相互に通信し、データを交換することができる仕組みを指します。

IoTの主な目的は、日常の物理的なオブジェクトやデバイスをデジタルネットワークに統合し、それらが相互に情報をやり取りできるようにすること。

これにより、機器同士や人間と機器との連携が向上し、新しいサービスや機能が生まれます。

例えば、スマートホームは典型的なIoTの応用例です。家庭内の様々な機器やセンサーがネットワークに接続され、ユーザーがスマートフォンや声の指示を使ってそれらを制御できます。

また、産業用途では、製造プロセスのモニタリングや最適化、物流の効率化などにもIoTが活用されています。

この様に生活の多くの場面で活用されているIoT技術ですが、最近では機能の進化によりデータの処理速度が重要視されるようになってきています。

そこで注目されたのがEthereum Classicの高いセキュリティ性能。ブロックチェーンならではのデータ処理能力に加えて、ハッキングなどのリスクに強いEthereum ClassicはIoT技術との相性が抜群。

Ethereum ClassicはIoTプラットフォームを公開するなどして、IoT分野の開発に注力しています。

サイドチェーン

Ethereum Classicは“サイドチェーン”と呼ばれるブロックチェーンの構造をしています。

サイドチェーンとは、主要なブロックチェーン(メインチェーン)とは別に存在する追加のブロックチェーンです。

ブロックチェーンのネットワーク上に2本のブロックチェーンを走らせることで、トランザクションの負荷軽減、ガス代の削減、スケーラビリティ問題の解決といった効果が期待されます。

Ethereum Classicでは、サイドチェーン構造により、膨大なトランザクションを遅延なく処理できるスペックを搭載。さらにトランザクションの負荷増大によって高騰するガス代の削減にも貢献し、ネットワークの利便性を向上させています。

この利便性の向上は、先程のIoT分野への進出を見据える上では重要な課題でもあります。

膨大な量のセンサー信号を処理しなければならないIoTのネットワークでは、通常のブロックチェーンではトランザクションが増えすぎてしまい、処理に遅延が発生します。

しかしEthereum Classicではサイドチェーンによってこの問題を解決。IoTへの活用をより実用的なものとしています。

発行上限が設定されている

Ethereum Classicではトークンの発行枚数に上限があります。上限値は約2億1,000万枚から約2億3,000万枚。

上限が設定されることで、価格変動が大きくなるデメリットはありますが、一方で将来的には価値が上がりやすいといった特徴があります。

この点もイーサリアムとは異なるポイントであり、EthereumトEthereum Classicが全く別もののトークンであることが分かります。

Ethereum Classicが誕生した背景

Ethereum Classicは、Ethereumからハードフォーク(分裂)した仮想通貨です。

分裂のきっかけとなったのは“THE DAO”事件。このときのEthereumの対応がEthereum Classicを誕生させる大きな原因となりました。

THE DAO事件とは

THE DAO(分散型自律組織)は、Ethereumブロックチェーン内で誕生した注目のプロジェクトでした。

これは2016年にEthereumプラットフォーム上のスマートコントラクトとして作成され、分散型のベンチャーキャピタルファンドとしての機能を搭載。

THE Daoは集めた資金の投資先を参加者の多数決によって決定し、利益が出ればみんなで山分けといったスタイルの民主的なファンド。

そのコンセプトが人気を呼び、多くの投資家が集まっていました。

2016年ハッキング被害発生

2016年6月。残念ながら、THE DAOはそのコードの脆弱性により悪意のある攻撃者からハッキングの被害に逢ってしまいます。

被害額は日本円にして約150億円。たった2週間でこれほどの損失を出してしまいます。

これによりTHE DAO内の大量のEthereumが失われ、THE DAOの創設者とEthereumブロックチェーンは今回の事態とそう収束させるか決断しなくてはならなくなりました。

その結果がハードフォークという結論に

THE DAOでは発行したトークンを引き出すのは28日後というルールがありました。つまり引き出し可能になる28日間の間にどのような対処をするか決めなくてはなりません。

さまざまな議論がなされた結果、最終的にEthereumをハードフォークするという結論に至ります。

THE DAOから流出したEthereumが枝分かれするということになりました。

この枝分かれした仮想通貨こそがEthereum Classicというわけです。

Ethereum Classicが強固なセキュリティ性能を兼ね備えているのにはこういった誕生の背景があるからであり、ハッキングリスクにできる限り対応できる設計となっています。

ハードフォークとは:簡単に言えばブロックチェーンの分岐状態のことを言います。ハードフォークにより分岐した仮想通貨は、元のブロックチェーンの影響は一切受けず、独立した銘柄となります。

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ETCの価格動向

ETCの価格動向は次の通り。

 

2023年11月の価格レンジは16.72ドル-21.81ドルの範囲。22ドル付近をピークに18.6ドル付近まで下落しています。

しかし、2023年10月以降、価格は上昇トレンドを続けており、今の下落は一時的な調整と見ることもできるかもしれません。

年内に高値を更新するかどうかが上昇トレンドの継続を幹分ける一つの材料となりそうです。

今後の価格動向

今後の価格動向を見てみましょう。まずは今付けている押し目が下落トレンドのサイン発生かどうかを分析していきます。

直近の最高値をヒゲ先の21.81ドルとしたとき、下落幅は約20%。トレンド転換のサインとなる50%以上の下落がみられないところを見ると、まだ上昇し続ける目はあるかもしれません。

一方で、このまま高値を更新せずに足踏みを続けるようなことがあれば、再び下降トレンドへと進むでしょう。

下限値は恐らく15ドル-14ドル付近。以前の安値水準である3ドルまで下がる可能性は少ないと予想しています。

とはいえ、現状では今後の価格動向はチャート形状からの予想しかできません。ファンダメンタルズ分析の材料が乏しいことから予想のしなりをは複数考慮しておくべきでしょう。

当面は

  • 20ドル以上の値上がりを見せるかどうか
  • 長い上ヒゲをたくさんつけるような強いレジスタンスが見られないかどうか

以上の二点に注目し、上昇トレンドの継続の強さに期待する流れが有力です。

過去の価格水準に戻るには時間が必要

実はETCは2021年は一時175ドルで取引されるなど、100ドル以上の値を付けていることも珍しくありませんでした。

しかし2022年以降価格は低迷。100ドルを超えることはなくなります。それに伴い、敵高量も減少。市場全体がETCに興味を失いつつあるように感じます。

今は短期的な上昇トレンドが発生していますが、出来高の面から言えば、すぐに100ドルを超えるような価格に至るまで上昇する可能性は低めです。

投資を検討する際は長期的な目線で適切なリスクを取ることが重要です。短期間で以前の水準に戻ることを過度に期待してはいけません。

Ethereum Classicの将来性

Ethereumからハードフォークすることによって誕生したEthereum Classic。その将来性にはどのような期待が持てるのでしょうか。

結論から言えば、Ethereum Classicの将来性は未知数です。そもそもTHE DAOのハッキング被害によって苦肉の策として登場したEthereum Classicはもともと何か大きなプロジェクトがあったわけではありません。

セキュリティ性の向上やサイドチェーン実装によるIoTへの活用は後から追加した機能です。

しかも最近ではEthereumの大型アップデートによりガス代の削減やスケーラビリティ問題の解決に取り組んでおり、Ethereum Classic独自のアドバンテージはかなり薄くなってきています。

本家Ethereumに比べてトークン価格が安いため、Ethereum Classicのポテンシャルを考えると投資銘柄としてはリスクとリターンのバランスに優れた投資先です。

しかし、銘柄のプロジェクトそのものが魅力的というわけではないため、値上がり期待度はやや低めです。投資を行うときは細心の注意が必要です。

【まとめ】Ethereum Classicはやむを得ず誕生した仮想通貨

Ethereum Classicは、Ethereumで誕生した有志のファンドであるTHE DAOのハッキング被害によって誕生した仮想通貨です。

Ethereumからハードフォークによって誕生したため、“Ethereum”と名はつきますが、本家のEthereumとは一切関係がありません。

将来的にIoTへの活用が期待されてはいますが、いまのところプロジェクトの進捗は不明。今後の動向が楽しみです。

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執筆者 西村大樹

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