FXは積極的に取引を行わなくても、ポジションを保有するだけで利益を得ることが可能です。それが“スワップポイント”。
スワップポイントは通貨間の金利差によって受け取れる利息のことで、金利差が大きくなるほど、利益が大きくなります。
スワップポイントを有効に利用できれば、何もしなくても毎日一定の収益が手に入り、ポジションサイズを調整すれば、リスクも最小限に抑えることが可能です。
しかし、スワップポイントはメリットだけではありません。残念ながらデメリットも存在します。今回はFXのスワップポイントについて、初心者にもわかりやすいように解説していきます。
「手軽にFXで稼げたらいいのに」と考えている方は是非実践してみてはいかがでしょうか?
参考記事はこちら
目次
スワップポイントとは
スワップポイントとは、外国為替取引(FX)や、CFD(Contract for Difference)取引などの金融取引において、ポジションを翌日に持ち越す際に発生する利息の差を示す指標です。
具体的には、通貨ペアの金利差によって計算するため、日本円など、金利の低い国の通貨で米ドルなどの金利が高い国の通貨を購入すると、その分の金利差をスワップポイントとして受け取れます。
一般的に、高金利通貨を購入し、低金利通貨を売る場合にはスワップポイントが得られ、その逆の場合にはスワップポイントを支払う必要が発生します。
つまり買いポジションで金利の高い通貨ペアを保有するとスワップポイントを受け取り、売りポジションで同様のペアを保有するとスワップポイントを支払わなくてはなりません。
長期的にポジションを保有する大口投資家や個人トレーダーには、スワップポイントが非常に大きくなるため、ポジションを翌日に持ち越すことで、金利差による利益を狙うことがあります。
その一方で、金融不安に陥るときはスワップポイントを懸念し、一斉にポジションを手仕舞いする場合もあるので、安易なポジションの持ち越しはその分リスクの高い選択といえるでしょう。
スワップポイントは日本で人気
実はスワップポイントは日本で人気の取引スタイルです。
というのも皆さんご存知の通り、日本は異次元の金融緩和である“ゼロ金利政策”発動以降、諸外国に比べて金利が非常に安いまま推移しています。
他国の金利が上昇し、日本円の金利が低下する状況が長く続いている為、対日本円での通貨ペアは保有するだけで大きな利益が生まれる状態を維持。
さらに日本円の通貨安も相まって買いポジションを保有しやすくなっていることから日本ではスワップポイントを狙った取引が非常に人気となっています。
今後の政策金利の動向によって、この状態がとこまで維持されるのかは不透明ではありますが、しばらくはスワップポイントを狙った取引が人気が続くのは間違いないでしょう。
ドルストレートのスワップポイントには注意が必要
通貨ペア間の金利差によって決まるスワップポイントは、ドルストレート通貨に注意が必要です。
ドルストレートとは、日本円を介さずに米ドルと直接ペアになる通貨の組み合わせのことで、ユーロ/ドルやポンド/ドル、オージー/ドルなどがドルストレートの代表的な例になります。
一方、円をからむ通貨ペアを“クロス円”もしくはクロス通貨と呼び、慣例的にクロスといえば日本円が絡み、ストレートといえば円が絡まない通貨ペアのことを指します。
これらドルストレートのスワップポイントは、クロス円のペアに比べてスワップの計算が複雑、流動的に変化し、場合によってはスワップポイントによる損失が発生する可能性があります。
スワップポイントが確定するタイミング
スワップポイントは日付を跨いでポジションを保有すると発生する利益ですが、権利が確定する時刻は日本時間の午前0時ではありません。ニューヨーク時間がクローズする間際、日本時間の午前5時が一般的です。
このタイミングで保有していたポジションにはすべてスワップポイントが発生するため、仮に午前4時30分から保有したポジションであっても、5時を過ぎるとスワップポイントを受け取る権利が得られます。
高金利の通貨ペアの多くは、ボラティリティ(価格変動率)が大きくなる傾向にあり、スワップポイント以上に価格変動によって損失が生まれることも少なくありません。
そこで極力保有リスクを減らすために、スワップポイント確定直前に高金利通貨のポジションを保有、スワップポイントが確定したタイミングですぐに売り抜けるような手法を持つトレーダーも複数存在します。
スワップポイントのメリットとリスク
スワップポイント狙いの取引はメリットも大きいですが、リスクも伴います。メリットとリスクを考慮したうえで、最も優位性のある取引を繰り返すことが大切です。
スワップポイントのメリット
スワップポイントを狙ったFX取引のメリットはいくつかあります。
その中でも代表的なものは次の4つ。
- 利息収入の獲得
- 長期投資の機会
- リスク管理の補完
- 経済指標の影響の緩和
損失に対するリスクヘッジ的な役割がスワップポイントのメリットといえるでしょう。
利息収入の獲得
スワップポイントを狙った取引では、通常は高金利通貨を買い、ポジションを翌日に持ち越すことでスワップポイントを獲得できます。これにより、売買差益(キャピタルゲイン)ではなく、ポジションを維持すること自体で収益を生むことができます。
これは取引回数を増やすほど損失の確立が上がるFXにおいて画期的なリスクヘッジの選択肢となり、場合によっては非常に勝率の良い結果を生む可能性があります。
基本的にFXの勝率は適当にやってもおよそ50%。手数料やスプレッドを考慮するとそれ以下の勝率です。ということは余程取引手法に優位性が無い限り、取引を繰り返すほど負けていく計算となるため、FXで勝つためには極力取引回数を減らすことが重要です。
スワップポイントを主軸に入れた取引スタイルでは、ポジションの長期保有が前提なので、自然と取引回数が減少。
結果として勝てる取引手法になる可能性が高まります。
長期投資の機会
スワップポイントを狙った取引は、長期的な投資戦略に適しています。特に、金利差が大きい通貨ペアでは、ポジションを数日間または数週間保有することで、相当な利息収入を得ることができるでしょう。
例えば、メキシコペソ/円では10万通貨当たり1日260円スワップポイント。南アフリカランド/円では10万通貨当たり160円のスワップポイントが受け取れます。
もちろんこの価格は参考値であり、取引業者や金利レートによって金額は変動します。しかし、1日当たり数十円から数百円の利益が毎日受け取れる高金利スワップポイントなら、株式の配当利回りを大きく上回る水準の金利を受け取れるため、大変魅力的です。
長期投資を念頭に入れたFXなら、スワップポイントを積極的に受け取るような取引がおすすめです。
リスク管理の補完
スワップポイントは、通常は取引の方向によって得られるか支払われるかが決まりますが、一方向のみの取引しかしないのであれば、価格変動に関わらずポジションの利益として確保できる場合もあります。
例えば、クロス円の取引は基本的に買いポジションで保有するとスワップポイントが受け取れます。
この性質を利用すると、仮に価格変動によってポジションが含み損になったとしても、ポジションを保有し続けさえいればスワップポイントだけは受け取れます。
そのまま長期的な目線で保有し続け、いずれレートが戻ってくればキャピタルゲインで利益を確保できる上にスワップポイントも受け取れます。
この方法はかなり保守的な方法ではあるものの、損失リスクを大きく抑えてくれるため、リスクヘッジの一環として積極的に取り入れているトレーダーも存在します。
スワップポイントのリスク
スワップポイントを利用する際のリスクにはいくつかあります。
特に為替の変動や金利の変動により、想定よりも大きな損失が生まれる可能性があるのがスワップポイントのリスクです。
- 金利変動リスク
- 通貨リスク
金利変動リスク
スワップポイントは、通常は通貨ペア間の金利差に基づいて計算されるため、金利差が小さくなると利益が減少します。
スワップポイントを決定する金利の変動はほぼ毎日です。基本的には小さな変動であることがほとんどですが、場合によっては予想外の損失が発生する可能性も十分にあります。
特に中央銀行の政策金利の変更や経済指標の発表など、金利に関連する重要なイベントがあるときは、スワップポイントに影響を与えることが多々あり、あまりに大きなイベントを通過する際には一旦ポジションを手仕舞いし、スワップポイントを清算することも重要です。
このリスクは高金利の国の通貨であるほど顕著であり、反対に米ドルなどの金利が安い通貨ではそれほど大きなリスクにはなりません。
とはいえ、全く損失が発生しないということではないので、常に金利変動によるリスクがあることは念頭に入れた取引をするようにしましょう。
通貨リスク
スワップポイントを狙った取引は、通常は通貨ペアのポジションを持ち越すことに関連します。そのため、通貨の価値変動によって、スワップポイント以上に損失が生じる可能性があります。
基本的にスワップポイントで受け取る金利よりも価格変動による損質の方が大きくなる可能性は非常に高く、ボラティリティの大きな通貨でスワップポイントを狙いに行くと想定外の損失が発生する可能性が高まります。
スワップポイントを受け取ってみよう
実際にスワップポイントを受け取るには、ポジションを保有し続けるだけでOKです。これからスワップポイントの受取りに挑戦してみようと思った方は是非以下の方法でスワップポイントの受取りを試してみて下さい。
bitcastleでアカウントを開設
今回参考に挙げるFX業者“bitcastle”は、仮想通貨・金銀などのレアメタル・コモディティ・株価指数といった様々な商品が取引できる総合取引プラットフォームです。
bitcastleのFXは業界最狭レートといわれるほどの低スプレッドに加えて、ハイレバレッジトレード、豊富な取引銘柄によるスワップポイントの設定など、ユーザービリティに非常に長けている点も特徴的です。
アカウントの開き方は次の通り。
まずは下記リンクからbitcastleのアカウントを開設。
次にメニューバー上部のFOREXをクリック。
リアル口座開設をクリックします。
この時、アカウント作成時に求められる本人確認書類の提示が完了していないとリアル口座の開設ができませんので注意しましょう。
リアル口座の開設が選択できるようになったら必要事項を入力してアカウントを開設します。
ちなみにここで聞かれているプラットフォームとはFXを取引するためのアプリケーションのようなもので、基本的にMT5から変更する必要はありません。
取引通貨も日本円で取引するのであればJPYで問題ないでしょう。
MT5を持っていない場合
MT5のインストールが完了していない場合はFOREXページ下部にあるダウンロードからアプリケーションを入手します。
アプリケーションを立ち上げると口座選択画面が表示されるので、口座をbitcastle、口座番号をアカウント開設時に表示された番号で入力します。
MT5が立ち上がり、画面右下が接続完了となればOKです。
後はポジションを保有するだけ。ポジションによるスワップポイントの受取り一覧はこちらから確認いただけます。
参考記事はこちら
【まとめ】スワップポイントを受け取ってお得に取引してみよう
スワップポイントは取引通貨の金利差によって得られる利益です。金利差が大きくなるほどより多くのスワップポイントが受け取れる一方で、長期保有による為替レートの変動に起因する損失リスクも存在します。
メリットとリスクを見極めて、お得に取引してみましょう。
執筆者 西村大樹