昨日(9月3日)から本日、4日にかけての24時間でイーサリアム、リップルなどのアルトコインの主要銘柄とも言えるコインが軒並み下落しました。
それらの銘柄は平均すると1%から4%も下落していますが、ビットコインだけは価格が安定している状態です。
ビットコインは7200ドル(約79万円)を突破し、7500ドル(約82万円)の壁も見えてきている状況です。なぜこのような価格変動を見せたのか考察してみたいと思います。
ビットコインは堅調
先週、ビットコインの対ドル相場は、心理的な節目と言われている7000ドルを挟む値動きを見せて9月1日には7300ドルまで値上がりを見せています。
投資初心者には少々難しいかもしれませんが、8月20日から9月3日の期間で「一目均衡表転換線基準線」、「遅行線の実体線」、「実体線の雲下限」の上抜けを達成し、1ヶ月半ぶりで三役好転を見せました。
この先、心理的節目と言われる7500ドルが上値目途としてあります。しかしながら、3日から4日までの価格の堅調さには裏が考えられています。
世界的な大手仮想通貨取引所でもあるビットフィネックス(Bitfinex)とビットメックス(BitMEX)で先日、短期的な利益を狙うショートポジションを取っている投資家が急増。
対極のロングポジションを保持する投資家の人数を超えてしまったとの報告が上がっています。これでお気付きの方もいらっしゃると思いますが、この状況は長期的に見ると下落のサインになります。
専門家は長期下落を危惧しており、ひとまず現状の価格を維持することが今後の見通しをよくするためのアプローチとの見解も出ています。
ビットコインは堅調な動きを見せているとは言え、今後のネガティブな展開にならないように注視の必要はありそうです。
イーサリアムは下落
ビットコインの堅調さとは裏腹にイーサリアムは9月1日に302ドルの高値を記録したものの、イーサリアムの心理的節目とも言われる300ドルを上抜けていました。
しかし、9月1日中に反落を起こして295ドルで推移していました。3日から4日までの24時間では2%ほど下落を見せています。
相場は8月14日安値の249ドルと8月18日321ドルを起点としたレンジ内でも方向性を書くのでテクニカル分析をするときの好材料が不足しています。今後の値上がりに関しても重い展開になると考えられます。
仮想通貨市場規模
この10日間ほどの仮想通貨市場の時価総額は節目となする2000億ドル付近まで下落して徐々に上値を伸ばしました。
9月1日には2300億ドルの上抜けに成功していますが相場は足元2375億ドルで推移しています。今後、仮想通貨規制の動きも複数控えている状況ですので、価格にどのように影響してくのかも注目したいところです。
9月3日から4日にかけて主要アルトコインが下落しビットコインが好調をキープしていますが、投資家の事情を考えると手放しで喜べない状況もあります。
ビットコインの仮想通貨市場シェアを示すビットコインドミナンスは2017年ごろは80%を占めていてビットコインの動向が仮想通貨市場全体に大きな影響を与えていました。
昨今はビットコインドミナンスは40%程度になっていますが、まだまだビットコインの価格変動が仮想通貨市場に与える影響は大きいものです。
さらに、ビットコインの取引に関していうと、丁度1年前ごろに日本でのビットコイン取引量が世界一になりました。
ビットコインが市場に与える役割が大きいこと、さらにビットコインの取引が日本で盛んなことを踏まえると日本人投資家の動きを考えて見るのも市場把握には役立ちそうです。
執筆者 西村大樹