リリース直後の価格が50ドル付近だったのにもかかわらず、たった2年足らずで最高値を10倍以上の600ドルまで伸ばした仮想通貨Kusama。
日本人の名前のような仮想通貨の名称で、親しみやすく興味を持って調べている方も多いのではないでしょうか?
本記事ではKusamaについて特徴と今後の動向、投資判断の独自の見解を詳しくまとめました。
是非読んでいってください。
目次
Kusama(KSM)とは
KusamaはPolkadotの創設者ギャビン・ウッド氏によって開発されました。リリースは2019年9月、Polkadotの兄弟分として開発された仮想通貨です。
この仮想通貨の名称である「Kusama」は水玉模様のデザインで有名なアーティストの「草間彌生」さんから名付けられたといわれています。その理由が兄貴分である仮想通貨の「Polkadot」が「水玉模様」という意味であることから由来しているのですが、ネーミングセンスがおしゃれです。
このKusamaほかの仮想通貨とは少し変わった特徴を持っており、以下ではそれぞれ解説していきます。
Kusama(KSM)の特徴
Polkadotへ新しい機能を実装する際の実験的な扱いとして誕生したのがKusamaです。
本来既存の仮想通貨にアップデートを加える場合は、テストネットなど公開されていないローカルなブロックチェーン上で行います。ですがKusamaは公開しているブロックチェーン上で実験用の仮想通貨としてリリースされています。なぜそれが可能になるのか、それはKusama独自の特徴的なシステムがあるからです。
パラチェーン
パラチェーンとはPolkadotのエコシステム内で使用されているブロックチェーンの仕組みで、互換性のない異なるブロックチェーンを接続することができます。
パラチェーンはメインのブロックチェーンのネットワークに接続することができ、並列稼働するブロックチェーンとなっています。
フォーク(分岐)と混同されやすいですがフォークは1本のブロックチェーンから枝分かれしているのに対しパラチェーンはリレーチェーンと呼ばれるメインのネットワークから独立したブロックチェーンが派生しているので全く別の構造になっています。
上はパラチェーンのイメージです。
中心のリングがリレーチェーン。
そこから放射状に延びているネットワークがパラチェーンになります。
KusamaはソースコードがPolkadotと酷似しているためPolkadotパラチェーンが利用可能です。なのでPolkadotのリレーチェーン上にKusamaのブロックチェーンを接続するとPolkadotの実装実験が可能になります。
実装テストを行った開発者には報酬としてKusamaのトークンが発行されるので開発者にも人気な仮想通貨となっています。
開発参入が容易
Polkadotとほぼ同じソースコードで開発されているKusamaは開発環境に Substrate(サブストレート)と呼ばれるブロックチェーン開発ツールが利用できます。
このSubstrateはPolkadotが一般向けに公開しており誰でもブロックチェーンの開発に参入できるように配慮されています。
こういった点からもKusamaのブロックチェーンの拡張性が期待でき、開発が進めばPolkadotのシステム向上スピードも飛躍的に伸びるでしょう。
ステーキングが可能
Kusamaはステーキング可能なブロックチェーンとなっています。オープンなブロックチェーン上でシステムの実験を行うための仮想通貨にもかかわらず非常に人気で、現在ではKusamaをステークしたときの年利は約14パーセントと非常に高いリターンが得られます。
またKusamaのコンセンサスアルゴリズムはPolkadotと同じNPoS(ノミネーテッド・プルーフオブ・ステーク)を採用しており、特徴的な技術の一つとなっています。これもKusamaのステーキングが人気な理由の一つでしょう。
NPoS(ノミネーテッド・プルーフ・オブ・ステーク)
NPoSはいずれイーサリアムで採用される予定の新しいコンセンサスアルゴリズムです。
内容は従来のPoS(プルーフ・オブ・ステーク)の進化版となっており、よりセキュリティ性能が向上しています。
ステーキングは対象の仮想通貨を保有することで新しいブロックを承認する作業に参加し、その報酬に仮想通貨を取得することができる仕組みのことを言います。PoSではブロックの承認権限は仮想通貨をより多くステークしていた人に与えられる仕組みです。
しかしこれではブロックの承認権限が一部の参加者に依存してしまい、セキュリティ上の問題がありました。
NPoSはこのような承認権限の不平等を解消するために、ノミネーターと呼ばれる参加者が承認権限を持つ参加者を公平に選出する仕組みにしています。その結果、承認権限が分散され、セキュリティ性能が向上しました。
Polkadotの参考記事はこちら
Kusama(KSM)の現在の推移価格
Polkadotの価格と相関性があり、なおかつステーキングもできるKusama。長期取引をする上で今後の価格動向は気になるところだと思います。新興アルトコインの中でも比較的チャート分析が明確でPolkadotの推移価格からも予測が立てられるので、詳しく分析していきます。
掲載チャートは上段がKusama下段がPolkadotを表示しています。
2021年のKusamaの価格推移
2021年1月の価格は106ドル付近でしたが5月に最高値645.8ドルまで上昇し上昇率600パーセントを超える急上昇をしました。その後一度下落し7月に付けた安値が138.5ドル、再度急上昇し11月に高値554.1ドルを付けて再び下落、現在278.2ドルで推移しています。
面白いことに2021年のチャートの形はPolkadotとほぼ同じです。Polkadotの方は最高値を11月に付けて上昇トレンドを見せているので、価格がもみ合っているように見えるKusamaも上昇トレンドに切り替わるのは時間の問題でしょう。
現在の価格の方向性
とはいえ、現在のKusamaはまだ上昇トレンドとは言い難いチャート形状です。5月以降高値は価格切り下げ、安値は価格切り上げになっており、取引が落ち着きを見せ始めて値動きが限定されているようにも見えます。
こういった場合、一気に価格が動くことが多いので慌ててポジションを取ってしまうと含み損を抱えるリスクが大きくなってしまいます。今はエントリーは見送るのが賢明でしょう。
エントリーのポイント
まずステーキング可能な仮想通貨なのでエントリーは買いポジションを狙います。リリースからの価格推移をみれば長期的には上昇トレンドであることは間違いありません。その上でなるべく小さなリスクで買いポジションを取りたいところですが、現在はステーキングの金利も高く、売却する人は少ないことが予想されます。
そうなると急激な価格の下落は期待できないので価格が下がるたびに少しづつ買いのポジションを入れていくことをお勧めします。
Polkadotから推測する今後の価格動向
Polkadotは11月に最高値を付けた後、一方的な下落を見せています。12月14日の価格は26ドル付近で推移していますがこの価格帯は9月以降の値下がりを止めているサポートとして機能しているようです。
ここから価格が下落するとサポートでの買い支えがなくなり下落が加速しそうですが7月20日の安値10.3ドルを下回ることはないでしょう。KusamaがPolkadotの価格に対して相関的に動くのであれば、今後想定できるシナリオは
- 現時点が底値である
- Polkadotが12ドル付近になったタイミングがKusamaの底値になる
のどちらかでしょう。この状況下で最もリスクを減らしながらKusamaを購入する方法は、1回で購入するKusamaの量を減らし、Polkadotが下落するたびに10回程度買い増すような分割購入式の資金管理を推奨します。
Kusama(KSM)の今後と動向
Kusamaはエンジニア向けのプラットフォームを提供する仮想通貨ですが今後の期待度は高いです。その理由を解説するには、まず現在目的としているプロジェクトから再確認していき必要があります。
KusamaはPolkadotの実験の場ということは解説しましたが、それは開発者に向けて相互運用性と拡張性を備えたアプリケーションフレームワークを提供することが目的だからです。ですので開発参入が容易という特徴は、このプロジェクトに欠かせない要素になっています。
Polkadotはセキュリティの高さを特徴にしています。その為メインのリレーチェーンに接続することができるブロックチェーンは、安全性などを考慮したうえで信頼性の高いものだけしか認められません。
しかしKusamaはリレーチェーンへの参加は誰でもすることができます。当然、その分セキュリティ性能はPolkadotに比べれば劣ってしまいますが、開発はスピーディに行われるので新しい機能が次々に登場するでしょう。
この開発スピードの早さと開発者たちが使いやすい環境を提供している点がKusamaの動向に期待が持てることの理由になります。
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Kusama(KSM)の購入方法
Kusamaは現在国内取引所での取り扱いは行っておりません。
購入は海外取引所になるので、Kusama取り扱いの大手取引所をご紹介します。
- バイナンス
- OKEx
- Huobi
これらの取引所で購入可能です。信頼性の高い大手取引所ですので安心して利用できます。
【まとめ】仮想通貨Kusama(KSM)の将来性は開発スピードの早さに期待
開発者向けのプラットフォームを提供するKusamaは今後のシステム開発がどこまで進むかに期待です。Polkadotの実験用仮想通貨とはいえその開発スピードの早さは目を見張るものがあります。
もしかするとPolkadotには実装されずパラチェーンとしてKusamaが独立したサービスを提供する可能性もあります。今後の成長が楽しみな仮想通貨Kusama。要注目です。
執筆者 西村大樹