NXM(NXM)という仮想通貨を知っていますか?
「NexusMutual(ネクサスミューチュアル)」が発行しているDefiトークンであり、保険サービスを受けるための会員権型の仮想通貨になります。
また後ほど詳細をお伝えしますが、メンバー同士が相互協力によって支え合いながら組織の運営をしており、NXM(NXM)を持つことで運営の一員になることができます。
今はまだ、メンバーになる規制がかかっているため日本在住の方が正式な会員になることはできません。
しかし、規制されている国が減らせるようにしていきたいと公式ページでも記載があります。
ハッキングの対象になりやすい大手取引所に通貨を預けている人にとっては良い保険サービスを提供しているため、ぜひ注目していただきたい通貨です。
そのため今回は、NXM(NXM)の将来性について、特徴や最新ニュースを交えてお伝えします。
仮想通貨の購入や、既にたくさんの仮想通貨の取引をしている人は最後まで見てください。
目次
NXM(NXM)とは?
仮想通貨名 | NXM(ネクサスミューチュアル) |
ティッカーシンボル | NXM |
ネットワーク | イーサリアム |
公式ページ | https://nexusmutual.io/ |
公式Twitter(最新ニュース) | https://twitter.com/nexusmutual |
公式Twitter(保険の申請状況) | https://twitter.com/NexusMutualBot |
NXM(NXM)は、保険会社のCEOを務めたことのあるHUGH KARP(ヒュー・カープ)氏によって2019年に創設されました。
分散型保険であるNexusMutualは投資家の間では有名な保険なんです。
取り扱っているものは下記の3つのカバーです。
- プロトコルカバー
- イールドトークンカバー
- カストディカバー
特定のスマートコントラクトのカバー
複数のスマートコントラクトのカバー
大手取引所などのハッキングや引き出し不可に対するカバー
公式mediumでは、分散型自律組織(DAO)と会社の良い点を合わせた「デジタル協同組合」として運営しているとされています。
共同という名前の通り、NXM(NXM)を持つメンバーたちが預けられた資産を協力して管理することになります。
NXM(NXM)を購入すると、10%は保険金の請求時に使用するため運営にデジポットされます。
イギリスの法的な基盤の上に、こうした相互関係が成り立っており、資産をメンバー同士の協力で管理することから非常に透明性の高いシステムを構築しています。
元々はハッキングのターゲットになりやすい分散型取引所(DEX)の保険になることを目指していたようですが、大手取引所もハッキングの被害に遭っていることから、取引所がリスク管理として加入している保険に頼るのではなく、パソコン上で完了できる、個人がリスクに備えるためのサービスを誕生させることを決めました。
仕組みとしては、イーサリアムのネットワーク上にNXM(NXM)をプールすることで、分散型の合意システムを通して保険の請求をすることができるようになっています。
この仕組みを利用して、大手取引所に預けていた資産がハッキングにより資金の10%以上がなくなった場合や、90日以上の出金ができなくなった場合に保険金が下りるというサービスを提供しています。
このシステムは、これまで保険会社が何かあった時のリスクに備えて多額の保険料を徴収し、そして大金をプールしていた保険業界において、スピーディーな支払いの決定や、人件費の削除を叶えた新しい保険の在り方だと言われています。
NXM(NXM)の特徴
NXM(NXM)は主に会員権として保有されるトークンです。
メンバーになることで保険の請求があった時に、支払いを認めるか否かの投票権なども与えられます。
そんなNXM(NXM)の特徴はこちらの5つです。
- 通貨価値は資金プールの金額によって変動する
- 保険金は自分が最初にかけた金額
- Ethereum(ETH)への変更には制限がある
- 保険金の請求に通貨を利用する
- メンバー活動で報酬をもらうことができる
それぞれについて、詳細をお伝えします。
特徴①通貨価値は資金プールの金額によって変動する
保険金が支払われるには、当然ですが支払える能力が組織になくてはいけません。
そのため、最低限の最小自己資本要件(MCR)が決められており、その基準を上回るほどプールされた資金がたくさんあるので、自然とNXM(NXM)の価値が上がっていきます。
このプールから保険金が支払われると、資金は減りますので通貨の価値も下がってしまいます。
しかし、カバーの購入などがあるとまた価値が上がります。
特徴②保険金は自分が最初にかけた金額
私たちの身近にある保険の多くは、毎月の保険料を支払って、何かあった時にあらかじめ決められた保険金が払われるようになっています。
しかしNexusMutualは、最初に自分が補償してほしい金額を決める仕組みになっています。
そのため、実際に受けた損害の大きさは支払われる金額への影響はありません。
特徴③Ethereum(ETH)への変更には制限がある
資金プールに十分なEthereum(ETH)がある場合、NXM(NXM)をEthereum(ETH)に変更することができるようです。
また、NXM(NXM)の購入にも必要な資金に対する現在の保有資金の比率(MCR%)によって制限があります。
- MCR%<100%の場合はEthereum(ETH)への変更を制限
また、NXM(NXM)をEthereum(ETH)に変更する際はNXM(NXM)の現価格から2.5%下げた金額で交換することになります。
NXM(NXM)の価値が低いと購入者が増えるのでEthereum(ETH)のプール資金が増え、反対にNXM(NXM)の価値が高いとEthereum(ETH)に変更していく人が増えるのでバランスが自然と取れるようになっています。
特徴④保険金の請求に通貨を利用する
実際に損害が出た場合、NXM(NXM)を利用して保険金の請求を行います。
請求する人は、カバー購入時にデポジットされた10%の中の5%分のNXM(NXM)をかけます。
もし、請求が認められなかった場合は、残りの5%を使ってもう1度請求ができ、請求が認められれば5%のNXM(NXM)が返ってきます。
反対に、保険の請求がされた場合はメンバーたちは保険金を支払うかどうかを、不正がないようにNXM(NXM)の一部をかけて投票で決めます。
投票が終われば通貨は戻ってきますので、安心してください。
しかし、不正に投票したとみなされた場合は戻ってきません。
カバーの内容に合った請求が拒否された場合が多くなると、新規メンバーは増えずにNXM(NXM)の価値も下がってしまうので、そうした仕組みも不正防止に役立っています。
特徴⑤メンバー活動で報酬をもらうことができる
先ほどお伝えしたように、保険の請求があればメンバーたちが保険金を支払うかどうか投票で決めます。
その投票に参加したメンバーは、資金プールの20%ほどを報酬として受け取ることができます。
この時に報酬として支払われるNXM(NXM)は、新しく発行されたものです。
投票できる時間は最短で36時間、最長で72時間続きます。
36時間を超えてからカバー金額の10倍になる投票が集まった場合は、その時点で投票は終了します。
また、スマートコントラクトの評価が出来るメンバーはリスク評価者として、他のメンバーがカバーを購入した時に一部のNXM(NXM)を報酬としてもらうこともできます。
メンバーの活発な活動により新しいNXM(NXM)が発行されていくので、自分たちの行動によって通貨の価値も変わります。
Defiのメリットとデメリットについてはこちらの記事で紹介しています
NXM(NXM)の現在の推移
多少の値動きの激しい様子はあるものの、発行当時の価格を見てみるとゆるやかに価格が上昇している通貨と言えます。
それだけ、仮想通貨が流行し、それに伴ってハッキングなどのリスクを抱えてきた状況だったということでしょう。
そうしたリスクに備える保険として有名になったことも、価格の上昇に貢献していると言えます。
今後も、保険サービスの範囲を広げていきたいと公式ページで示していることから、値上がりしていく可能性があります。
NXM(NXM)の今後と動向
NexusMutualの資産はイギリスで設立した会社が所有しており、イギリスの法律に則って運営することが必要でした。
そのため、メンバー同士で支え合いながらも最初にお伝えしたように完全な分散型自律組織(DAO)ではありませんでした。
そこで、投票によって分散型自律組織(DAO)に移行することの決議が行われました。
2022年2月21日には、公式Twitterで組織の新たな形への移行が決定されたために、メンバー契約の見直し(メンバーを抜ける場合は手続きが必要という旨)を求める文章が掲載されました。
もし移行が完了しても、本人確認がなくなるわけではないと示されていましたので、これからも安心してメンバーとして居続けることはできるようですね。
NXM(NXM)の購入方法
この通貨は、取引所で購入することはできません。
会員権という性質上、会員メンバーになることでNXM(NXM)を得ることができます。
メンバーになるためには、公式ページから本人確認手続きと会費の支払いをして「メンバー契約」に合意する必要があります。
最初にお伝えしましたが、2022年3月4日時点では日本在住の方は正式なメンバーになることはできません。
Ethereum(ETH)でNXM(NXM)の購入や、会費の支払いが可能です。
もし、保険金が下りる際はEthereum(ETH)かDai(DAI)で受け取りができます。
そして肝心なカバーの購入には、下記の通貨が利用可能です。
- Ethereum(ETH)
- Dai(DAI)
- NXM(NXM)
仮想通貨は価格変動が激しいので、保険サービスに適用するには難しいと言われていたようですが、ステーブルコインであるDai(DAI)を利用することで、リスクの軽減を図っているそうです。
ちなみに、NexusMutualが公式に発行している「WrappedNXM(WNXM)」はNXM(NXM)と1:1で交換することができます。
WrappedNXM(WNXM)は、NexusMutualプラットフォーム外でも使うことができます。
しかしNXM(NXM)は、メンバーにしか送信できないようになっています。
メンバーであれば、ネットワーク上でNXM(NXM)をWrappedNXM(WNXM)に変更することができます。
WrappedNXM(WNXM)は仮想通貨市場の影響を受けて価格変動をするため、こちらの2つの通貨は価値が違ってきます。
交換することで損をする可能性もありますので、注意してください。
大手保険会社も仮想通貨に興味を示している様子についてはこちらの記事で紹介しています
まとめ
NXM(NXM)は保険サービスの会員権としての仮想通貨です。
購入するには、会費の支払いと本人確認、会員規約への同意をしてメンバーになる申請をする必要があります。
ブロックチェーン上で保険金請求の許可、不可をできるという支払いまでのスピーディーさや、人件費不要によるコストカットなど、これまでの保険の問題点を改善された仕組みです。
保険会社が保険料を管理するのではなく、メンバー同士で管理するシステムなので、保険金の申請が来た場合もメンバーが投票をもって保険金の支給を決定します。
不正な投票により新規メンバーが入らないと、資産が減ってしまうことや、自分のNXM(NXM)が消えてしまうことから、健全な組織運営ができています。
今後、日本からでもメンバーになることができるようになるかもしれませんので、ぜひ注目してください。
執筆者 西村大樹