近頃、仮想通貨(暗号資産)の中でも“ステーブルコイン”と呼ばれる仮想通貨が注目を集めています。この仮想通貨は、価格変動率が非常に小さく安定していることから、取引の場面で支払い方法のひとつとして利用されることも増えてきています。
ところがそこは仮想通貨、いくら安定してると言っても法定通貨のような信頼性はありません。現に、最も安全と言われていたステーブルコイン“テラ”が暴落した際は大きなニュースとなりました。
そこで本記事では今話題のステーブルコインのリスクについて詳しく解説します。
「そもそもステーブルコインについてよくわからないよ」という方にも理解しやすいように解説していくので是非最後までご覧ください。
参考記事はこちら
https://bitcastle.io/column/post-395/
目次
ステーブルコインとは
ステーブルコインとは、その名の通り、ステーブルつまり価格が安定している暗号資産です。
一般的に、ステーブルコインは、1つの暗号資産(ビットコインやイーサリアムなど)との価格連動、あるいは、法定通貨との価格連動を基に、一定の価格の安定性を維持します。
よくあるステーブルコインの例としては、米ドルと価格が連動(ペッグ)した銘柄があります。
ステーブルコインは、価格変動の大きいビットコインや、その他の暗号資産のリスクヘッジとして利用される場合が多く、仮想通貨を主な保有資産としている投資家にとっては、魅力的な選択肢です。
また、ステーブルコインは投資目的の保有以外に、支払いや取引に使用することで、暗号資産取引の安定性を向上させる効果もあります。
これは利用場面の多い法定通貨にも同じことが言えます。例えば米ドル。世界の基軸通貨とされる米ドルは流通量が多く、世界トップの価格安定度を誇ります。
つまりステーブルコインとは、法定通貨に変わる仮想通貨としてデザインされている一面もあるわけです。
今後新たな通貨として台頭してくる可能性を秘めているステーブルコインは、今後のトレンドになると見て間違いないでしょう。
仮想通貨との違い
ステーブルコインと仮想通貨に違いはありません。ステーブルコインはあくまで仮想通貨の一種です。
通常仮想通貨は、価格変動が大きく取引や決済には不向きな資産です。売買差益が生まれやすいことから投資を目的として保有する方が多くいますが、仮想通貨そのものに何らかのユースケースがあることはあまりありません。
ところがステーブルコインは価格が法定通貨に連動するという特徴から、コインそのものにユースケースが生まれます。
そのため、投資目的で保有している方の他にも、支払い目的で保有している方、資本を分散するために保有している方など、多くのユーザーが保有しています。
ステーブルコインは売買差益が生まれにくいことから短期的な投資には無不向きです。ところが、保有しているステーブルコインを貸し出すレンディングには向いている特徴があり、インカムゲインを狙う方には最高の資産です。
ステーブルコインの価値が保たれる仕組み
ステーブルコインの価値は、一般的に発行元が発行する資産を担保にして価格を支えています。
この資産は、銀行預金や政府証券、その他の金融商品であり、ステーブルコインの価格を安定させるために、発行元はこの資産を適切に管理しています。
中にはアルゴリズムを使用して価値を支える“無担保型”と呼ばれるステーブルコインや、他の仮想通貨を担保に価格を維持しているステーブルコインもあります。
これらのステーブルコインは、金融商品によって価値を担保されている銘柄と違い、暴落・暴騰のリスクを抱えています。しかし、その分ステーブルコインの流動性に貢献するイールドファーミングやレンディングで得られる利回りはかなり高めに設定されています。
この様にステーブルコインは、その銘柄に裏打ちされた何らかの資産やアルゴリズムを元に価格を維持する仕組みのため、潜在的に抱えているリスクは法定通貨と異なります。
一見法定通貨と同じ意味合いでとらえられることの多いステーブルコインのリスクとは、一体どのようなものなのでしょうか。詳しく解説していきます。
参考記事はこちら
https://bitcastle.io/column/post-15170/
ステーブルコインのリスク
非常に便利で今後のユースケースが増えそうなステーブルコインですが、実際には法定通貨にはないリスクをはらんでいます。
ステーブルコインのリスクについて一般的に懸念される項目は以下の4つ。
- 発行会社の信用リスク発行会社の信用リスク
- 規制リスク
- 保有資産のリスク
- 流動性リスク
順番に見ていきましょう。
発行会社の信頼リスク
ステーブルコインの価格の安定性は、発行会社の信用力に依存しています。そのため、発行会社が破産や詐欺に巻き込まれた場合、ステーブルコインの価値を担保する資産がなくなり、価値は暴落します。
例えば、テザー(USDT)は、長年にわたって取り巻く不透明な状況から、発行会社の信用に疑問を抱く投資家も少なくありません。
実際に過去テザーが大きく暴落したニュースでは、そういった信用に対する懸念が引き金になったと言われています。
ステーブルコインを保有するときは、発行元企業の経営状態が健全であるかどうかの確認が必要です。
発行元のいないステーブルコイン
ステーブルコインが持つリスクの大部分は、運営会社の資産保全力に影響を受けます。ところが、一部のステーブルコインはDAO(分散型自立組織)が発行元となり、資産保全が不明瞭な銘柄もあります。
いわゆる無担保型と呼ばれるこのステーブルコインの信頼度は、担保型の銘柄に比べて非常に低いと言えます。
しかし、システムが動き続ける限り、理論上は価値が保全されるという特徴もあるので、一概に危険なステーブルコインとも言えません。
大切なのは価値を保証する仕組みを理解し、適切なリスクの範囲内でステーブルコインを保有することでしょう。
規制リスク
ステーブルコインは流通量が多く、信頼性の高い銘柄は法定通貨と同じように扱われる可能性があります。
実際、最近のニュースでは、クレジットカード大手VISAが「CoinbaseとCircleが発行するステーブルコイン“USDC”を決済に利用できるようにする」という報道がありました。
この様にステーブルコインが法定通貨と同じように扱われるとなると懸念されるのが当局による規制です。
仮に各国の財務局が監視しきれない通貨であるステーブルコインが当たり前のように流通し始めるとすると、国内外の為替のバランスが崩れるかもしれません。
こういった懸念が表面化した場合、規制当局がステーブルコインの発行や流通について制限を課すことが予想され、ステーブルコインの価格に影響を与える可能性があります。
例えば、中国当局は2021年にビットコインの取引所やマイニング業者に対する規制強化を行いました。この規制は2023年現在も解除されず、今のところ緩和される見込みはないようです。
このニュースをきっかけにアルトコインを始めとする多くの仮想通貨銘柄は軒並み下落。仮想通貨を担保にしたステーブルコインも価格を維持できなくなるほどの衝撃を与えました。
このように、世界各国の政治的動向にもステーブルコインの価格は左右されます。当局の規制リスクは避けようのない事態ですので、多額の資産をステーブルコインに変更することはお勧めできません。
保有資産のリスク
ステーブルコインは通常、法定通貨や商品などの資産にバックアップされています。
しかし、これらの資産自体にリスクがある場合は、そのステーブルコインはリスクの高い銘柄と言えるでしょう。
例えば、米国企業の債権を担保にしていたステーブルコインがあったとしましょう。これらは社債を担保にしているので、景気の冷え込みや株価の下落によって債権の価値が落ちれば、信用度は大きく低下します。
すると必然的に債権の信用によって価格が維持されているステーブルコインは価格が下落。法定通貨との連動性は失われるでしょう。
保有資産におけるステーブルコインのリスクを低減するには、発行元の財務状況はもちろん、保有している資産の構成比率(ポートフォリオ)も併せて確認しておくことが大切です。
流動性リスク
ステーブルコインは、名柄によっては取引所での流動性が極端に低いときがあります。こういった場合、市場参加者が少ないため需給のバランスが崩れやすく、ステーブルコインの価格が急激に変動することがあります。
仮に、自身が保有するステーブルコインがほとんど流動性を持たない場合、その銘柄はステーブルコインとしての機能を果たさなくなる可能性があるということです。
自身の仮想通貨投資のポートフォリオろ見直したとき、ステーキングなどの利回りがよい銘柄ばかりで構成されていた場合、各銘柄の流動性は必ずチェックが必要です。
特に流動性が低い銘柄ほどホルダーを増やすために利回りをあげていることがあるので注意が必要です。
潜在的に流動性リスクを抱えているステーブルコインは、利回り以上に損失を発生させるリスクがあります。
参考記事はこちら
https://bitcastle.io/column/post-14094/
ステーブルコインの購入方法
ステーブルコインの購入方法は主に2つ。
- 公式の取引所から購入する
- DEXなどステーブルコインが上場している取引所から購入する
どちらの方法でも購入できますが、ここでは汎用性が高い2番の方法、“DEXなどステーブルコインが上場している取引所から購入する”方法をご紹介します。
購入手順
ステーブルコインの購入手順は以下の通りです。
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- STEP.01登録
- bitcastleのアカウント登録をする
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- STEP.02購入
- bitcastleから仮想通貨を購入する
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- STEP.03転送
- 目的のステーブルコインが上場している取引所へ購入した仮想通貨を転送する
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- STEP.04交換
- 転送した仮想通貨をステーブルコインと交換する
入手方法はこれだけです。日本の取引所に上場していることが少ないステーブルコインはビットコインなどの仮想通貨と交換する方法で入手します。
このとき、交換元の仮想通貨は事前に用意しておかなければいけないので、bitcastleで購入しておくと良いでしょう。
ちなみにbitcastleを利用する理由は“クレジットカードによる仮想通貨購入が可能だから”です。仮想通貨の購入は、専用口座にお金を振り込んだり、購入窓口となる取引所の口座開設までに時間がかかったり、何かと不便です。
ところがbitcastleはクレジットカード決済で振り込み不要。口座開設もメールアドレスと本人認証ですぐに完了します。
これだけ利便性のよい取引所はそうそうありません。ステーブルコインを購入する際はぜひこちらのアカウントを開設しておくことをおすすめします。
参考記事はこちら
https://bitcastle.io/column/post-8207/
【まとめ】ステーブルコインを保有するには適切なリスク管理が必要
値動きが小さく、法定通貨と価格が連動しているステーブルコインは利便性も良く、安定した財産に見られがちです。
ましてや価格が法定通貨に保障されていると思うと、低リスクで仮想通貨投資に参加できるような錯覚さえ覚えます。
確かにステーブルコインは買い物に利用できたり、NFTを購入したりとユースケースが多岐にわたりますが、その価値を過信してはいけません。
テラやテザーがそうだったように、ステーブルコインは常に暴落のリスクと隣り合わせにあります。たとえ法定通貨に裏打ちされていたとしても、その信頼性は法定通貨にはとても及ばないでしょう。
もちろんステーブルコインを保有するメリットはあります。しかし便利さと金利に目が眩み、資産のほとんどをステーブルコインに変えてしまうのはメリットにたいしてリスクが大きすぎます。
ステーブルコインは投機的な金融資産です。適切なリスク管理、過度な過信これらに注意をして購入してくださいね。
執筆者 西村大樹