仮想通貨Dai(ダイ)とは?特徴や将来性について解説!

仮想通貨Daiとは?特徴や将来性について解説

 価格安定が強みのステーブルコイン、Dai。その名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?しかし調べてみるとほかの仮想通貨とは少し違った特徴があることに疑問を抱いたと思います。 本記事ではそんな疑問が解決するようにDaiの成り立ちからステーブルコインとしての魅力、価格推移などを細かく解説していきます。

Dai(ダイ)とは 

Daiとは

イーサリアムのブロックチェーン上で作成されたステーブルコイン。1Daiが1米ドルに設定されています。開発はMarkerプロトコルを使用しており、発行管理などの監査はMarkerDAOが行っています。 ステーブルコインは、価格の安定性が重要視され、ボラティリティが低く仮想通貨でも法定通貨のように利用できるようにすることを目的として開発されています。

Daiの技術的特徴を見ていきましょう。 

【補足と用語説明】 

MarkerDAO:仮想通貨経済の安定性を確保するために作られた分散型組織です。Daiを新規に発行する際、MarkerDAOはDieの価格が適正に保たれているか監査をしたり、不正が行われていないかを監視している集団です。

ボラティリティ:価格変動率のこと。ボラティリティが高いとは価格の変動が大きく、ボラティリティが小さいとは価格変動が少ないという意味です 

イーサリアムの詳細はこちらを参考にしてみてください

「仮想通貨イーサリアム(ETH)は今から買っても遅い?」 「このまま保有しておくべき?買い時や売り時は?」 このような悩みを解決すべく、...

Dai(ダイ)の特徴 

Daiの特徴

DAIはイーサリアムのブロックチェーン上で作成されています。なのでブロックチェーンの仕組みはイーサリアムに起因するのですが、Dai自身の技術にはステーブルコインとして利用するための技術的特徴があります。以下ではDaiの技術的特徴と利用価値について解説します。

 Marker プロトコル 

Markerプロトコルとはイーサリアムブロックチェーン上で最も大きい分散型アプリケーションで、Marker財団の開発者たちによって設計された最初の分散型金融アプリケーションになります。 

MarkerプロトコルはMKR(Markerプロトコルのガバナンストークン)を保有する大勢の人たちによって管理され、安定性と取引の透明性を確保しています。 金融アプリケーションである為、取引の透明性の確保は必須であり、その信頼度が高ければ将来的に海外送金やブロックチェーンネットワーク上での決済手段として利用することができます。このことからDaiステーブルコインはより実用的な仮想通貨になることを想定して開発されていることがわかります。

【用語補足】 

ガバナンストークン 

ガバナンストークンとはットワーク運用や開発についての方針を、保有している人たちによる投票で決定するトークンです。利用する参加者が増加することでネットワークの価値が上がれば、そのネットワークの方針に影響を与えることのできる投票権を持っていることは大きな資産になります。そのためネットワークの投票権の価格は、保証するネットワーク価値によって指数関数的に上がっていく傾向があり、DiFiサービスに資金を集める手法としても使われます。 

複数担保型Dai 

Daiのブロックチェーン技術は金融システムに特化したものになっています。現在の中央集権的な金融システムの問題点、(サーバーダウンによる取引不能な状態など)を解決するための分散型の金融システムを構築することが目的です。そうすることでネットワークを共有するすべての人に公平な金融システムを提供することが可能になります。 

この思想はビットコインの考え方と非常に似ておりビットコインも分散型台帳技術を取り入れています。しかしビットコインはボラティリティが高く経済活動として利用できる通貨としては機能しなかったため、ボラティリティを抑えたステーブルコインのDaiは経済活動が行える通貨になる可能性を持っています。 

【補足】 

本記事で言う経済活動が行える通貨とは、決算手段として実際の通貨のように利用することができる仮想通貨のことを指しています。例えばバスに乗るときにDaiで払うことが可能であればDaiは経済活動を行うことができる通貨です。 

 ステーブルコイン 

Daiは1Daiが1米ドルと定義されたステーブルコインです。ステーブルコインとは価格変動が小さく、安定性を重要視するように設計された仮想通貨のことです。Daiはステーブルコインとしての実用性を高めるために開発、設計されています。そのためボラティリティを抑えて価格を安定させ、決済手段として普及させる活動が行われています。ステーブルコインにも種類があり、法定通貨担保型、無担保型(アルゴリズム型)、仮想通貨担保型とありますがDaiはこの仮想通貨担保型に該当します。 

仮想通貨担保型 

仮想通貨担保型はその名の通り大手の仮想通貨を担保にしてステーブルコインの信用と価格の維持を行います。Daiでは信用性の高い仮想通貨であるイーサリアムを担保にしているため、ボラティリティを押さえることができます。Daiはイーサリアムのブロックチェーン上に構築することでイーサリアムの信用を獲得しています。 

また仮想通貨担保型にするメリットは信用度の高い仮想通貨を担保にしているため、分散型ステーブルコインの性質を保つことができることです。仮に法定通貨担保型ではステーブルコインの担保を法定通貨で行うため信用担保の面では中央集権型になってしまいます。

この様な仕組みを利用し、Daiは銀行のような中央集権型の金融システムを導入せず、分散型の金融システムが構築できるようになっています。 

ステーブルコインの詳しい内容はこちらもご覧ください。

「ステーブルコインって何?」 「ステーブルコインにはどんなメリットがあるの?」 ステーブルコインの種類や特徴、メリット・デメリットについ...

Dai(ダイ)の現在の推移価格

Daiの現在の推移価格

Dai/USDチャートです。

 

 Daiは価格の安定性が重視されているため価格変動は起こりません。なので投資向きの仮想通貨ではないのですが、時折大きく変動する瞬間があるので下がれば買い、上がれば売りとスキャルピングで稼ぐこともできますが、あまり実用的ではありません。

Dai(ダイ)の今後と動向 

Daiは1Daiが1米ドルで価値が固定されているため投資価値を有するものではありません。ですが価値が固定されているからこそできることもあります。Dieが持つ可能性を、ステーブルコインという性質から推察することでDieの今後と動向を探ることができるでしょう。 

ステーブルコインとしての今後 

Dieは今後ステーブルコインとして一般的に普及することを目的として開発がすすめられていますが、実際に普及すると一体どういった場面で使われるのでしょうか。 

法定通貨の代わりとして機能する 

1Daiが1米ドルで固定されているのでブロックチェーン上での決済にDaiが使用できるようになります。その他の仮想通貨では価格の変動が大きく不安定なので決算手段としては利用できませんが、価値が固定されているDaiは決算手段としての利用が可能になります。 

夏頃にエルサルバドルがビットコインを法定通貨に採用すると話題に上がりましたが、ビットコインでは価格の変動が大きく法定通貨としての利用にはまだ問題がありました。 しかしDaiであれば価格が変動しない為、もし仮想通貨をどこかの国家が法定通貨に採用したいと考えた時にDaiが選択される可能性もあります。 

スマート決済に利用できる 

現在の生活において「キャッシュレス」という言葉が浸透して、現金を用いない支払い方法が一般的になりました。このキャッシュレス決済をネットワーク上で行う際、現在はクレジットカードなどを利用しますが、法定通貨の役割を果たすとしてDaiが普及すれば決済に利用できるようになる可能性があります。Daiの価値は世界中に対して不変であるため海外での商品購入も通貨による価値の差が生まれません。また海外送金も法定通貨に比べて低コストでスピーディな取引が行えます。 

他にも海外送金に関してはブロックチェーン上で稼働しているため自由に送金することができ、取引の透明性が保たれています。従来の法定通貨でのクロスボーダー決済では取引コストが高いことはもちろん国ごとに通貨が異なるので為替リスクが発生します。また決済システムも国や地域に差が出るので透明性の高い取引が難しい場合があります。 

Daiはグローバルな取引に強い仮想通貨になるでしょう。 

【用語補足】

クロスボーダー決済:国境を越えて行われる取引の総称をいいます。個人輸入で海外の商品を直接購入することもクロスボーダー決済です

 Daiの動向 

Daiは2017年単一担保型Daiがリリースされました。それ以降ステーブルコインを採用するユーザーが非常に増加しました。それによりDaiはDeFiの拡大を促進する分散型アプリケーションの先駆けとして認知されます。Daiのステーブルコインとしての特徴的なところは仮想通貨担保型でありながら安定した価格を維持し法定通貨の代わりとして機能するような設計になっていたことです。そして2021年現在も仮想通貨担保型では最も価格が安定している仮想通貨です。そんな法定通貨に最も近い仮想通貨のDaiが、今後利用されるであろう市場をいくつか紹介します。

  • ゲーム:ブロックチェーンゲームの開発にDaiを使用すると、そのゲームはゲームの世界でも現実世界でもDaiが使用できるようになります。 メタバースなどで採用されると現実世界での経済活動が仮想通貨でも行われるようになるかもしれません。
  • 海外との輸入事業:クロスボーダー決済にかかるコストや為替リスクを低減できることから個人でも輸入事業に参入することが可能になります。輸入にかかるすべてのコストがDaiで一律になれば利用者はより適正な価格で商品を購入できるようになります。

そのほかの仮想通貨の動向が気になる人はこちらの記事も読んでみてください

「ネム(XEM)ってどんな仮想通貨なの?」 「ネム(XEM)の将来性が知りたい」 世界中には仮想通貨(暗号資産)が2000種類以上ありま...

Dai(ダイ)の購入方法

Daiの購入方法

日本国内では購入できる取引所はありません。海外取引所で購入する流れになります。

主なDaiの取り扱い取引所は

  • Binace
  • Kraken
  • Coinex

などです。KrakenはDai/USDの購入ができるため、Daiを法定通貨で購入したいときにおすすめです。

【まとめ】Dai(ダイ)は将来的に仮想通貨の基軸になる可能性がある

Daiの解説は以上になります。Daiは普及すれば海外との取引で為替リスクが発生しなくなる可能性を秘めた現在唯一の仮想通貨です。実用化に向けてはまだまだ課題は多いですが利用が始まれば普及のスピードは目を見張るものがあるでしょう。今はまだインフレを起こしていませんが、将来的に1Daiが2ドルになるようなインフレを起こす前に、保有してみるのもいいかもしれません。

執筆者 西村大樹