国民生活センターが注意換気!500万円投資した仮想通貨トラブル

仮想通貨の話題が以前ほど少なくなったように感じる方もいるかもしれませんが、大々的に報じられていない陰で仮想通貨のトラブルが少なくありません。

9月26日、国民生活センターは「新しく上場するという仮想通貨トラブル」の相談事例と解決策を発表しました。

仮想通貨を現在保有や取引をしていなくても、甘い言葉で言い寄ってくる人間もいます。自分が仮想通貨トラブルの被害に合わなように今回の記事をお読みください。

国民生活センターが注意喚起

独立行政法人国民生活センターは26日、「上場予定の通貨がある」などと勧誘されて500万円を投じた男性の事例を紹介し、解決方法(問題点)も示しました。

事例では「新たな仮想通貨(以下Aコイン)が来月上場予定だから、購入すれば必ず儲かる」、「もし、上場しなければ契約先の事業者が全て買い取るのでリスクはない」、「Aコインは他のコインとも交換できる」と甘い言葉をかけて被害男性を勧誘したことが分かりました。

その男性は言葉を信じ、500万円を支払ったとのこと。その後、男性は事業者の言う通りにスマートフォンに海外の仮想通貨取引所のアプリを入れウォレットを確認するとAコインの入金は確認できたものの、他の仮想通貨とは交換ができなかったようです。

説明と食い違っていたことと、Aコインが上場していたかも分からなかったため男性は全額返金を求めるも事業者は買取先が見つからないと伝えられ、返金が引き伸ばされていると言う事例です。

相談を受けた消費生活センターが事業者とやりとりを行なった結果、一部返金はあったもののそれ以上の返金や話し合いは厳しい状況になっていました。その後、消費生活センターは国民生活センターに相談し共同で処理を進めます。

両センターの事情聴取に対して事業者はあくまでもAコインは消費者からお金を借りた担保としてのトークンであり資金決済法で規定されている仮想通貨ではないと主張。上場予定の仮想通貨についても曖昧な回答だったとのことです。

以上の内容で国民生活センターのホームページに掲載され注意喚起がなされていました。

本件の問題点

注意喚起をした今回の仮想通貨トラブルですが、問題点としては2つ考えられます。まず一つはAコインについてです。事業者はAコインを仮想通貨ではなくトークンとしていたが、トークンと称しても仮想通貨に該当する可能性があると言うことです。

当初、事業者は男性に対して他の仮想通貨と交換できると言っています。それが事実であれば資金決済法でAコインは1号仮想通貨、交換した仮想通貨は2号仮想通貨に該当します。

もう一つの問題点は海外の仮想通貨交換業者についてです。金融庁のジムガイドラインによれば海外事業者でも日本での仮想通貨交換業を行う場合は資金決済法に基づいて仮想通貨交換業の登録が必要です。

海外の交換業者が金融庁の登録を受けずに仮想通貨の売買や交換、勧誘を行なってはいけないとされていますし、今回のトラブルは勧誘に該当します。

資金決済法に基づいて考えていくと、怪しいと思った業者にはこちらからも論ずることが可能です。ただ、事が起きてからではなく事前に知って置かなければならない知識です。国民生活センターには様々な事例が掲載されていますので、一度、確認してみてはどうでしょうか。

仮想通貨トラブルの事例

仮想通貨トラブルは1件や2件ではありません。国民生活センターのホームページで「仮想通貨」と検索すると多くの相談案件が表示されます。

今回紹介した案件と似ていますが「将来、100倍や1000倍になるから」と知人に勧誘され20万円分を購入したが実体不明な仮想通貨で連鎖販売の特定負担内容あ不透明であったトラブルもあります。

他も巧妙な手口で消費者からお金をだまし取る手口が掲載されています。仮想通貨のボラティリティに一瞬は信じてしまいそうですが「必ず」と言う言葉は投資の世界ではありません。十分に注意をして仮想通貨の取引を楽しんでください。

執筆者 西村大樹

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